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13 研究開発拠点における試験技術・施設等の開発

敦賀本部

「もんじゅにおける点検時期超過事案」に早急に対応し、一日も早く原子炉等規制法違反から正常な状態に復帰できるよう、未点検機器の点検や安全文化の醸成等に取り組んでいます。

「ふげん」は、廃止措置及び関連の技術開発や東京電力株式会社福島第一原子力発電所 (1F) 事故後の廃止措置に向けた解体撤去を想定した最適な切断工法の選定試験を着実に進めています。

また、レーザー技術をはじめとする産学官連携による研究開発の推進など技術協力を積極的に進めています。特に、レーザー技術を活用した高速炉伝熱管補修技術の産業応用を進めています(トピックス13-1)。

2013年4月には、「もんじゅ」のシビアアクシデント解析・評価等を主目的として、従来からの高速増殖炉の実用化に向けた研究開発を行う「FBR安全技術センター」を設置しました。

FBR安全技術センター発足式(2013年4月2日)

FBR安全技術センター発足式(2013年4月2日)


   

東海研究開発センター原子力科学研究所

東日本大震災で被災した研究用原子炉 (JRR-3,JRR-4,NSRR)、臨界実験装置(STACY,FCA等)、核燃料物質使用施設(WASTEF,BECKY,第4研究棟等)、加速器(タンデム等)等の復旧を進め、核燃料物質使用施設を核燃料等の様々な試験に提供したほか、加速器も利用運転を実施しました。また、新たに発足した原科研福島技術開発特別チーム等による研究活動(第1章トピックス1-121-141-15)の支援にも貢献することができました。このほか、原子力事故等の緊急時の活動拠点となる免震構造を有する安全管理棟等を竣工しました。

保有する技術力の利活用においては、保有特許の利用を希望する企業への技術支援等も進め、放射線検出や電子工作といった放射線測定技術を生かした製品化に貢献しました。

原子力エネルギー利用と量子ビーム利用を支える原科研の施設

原子力エネルギー利用と量子ビーム利用を支える原科研の施設


   

東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所

プルトニウム燃料技術開発センターは、MOX燃料開発に係る基盤データの取得を実施するとともに、日本原燃株式会社への技術協力としてMOX燃料粉末調整に係る試験等を実施しました。

再処理技術開発センターは、ガラス固化技術の高度化開発とともに、低レベル放射性液体廃棄物模擬廃液のセメント固化試験を実施しました。

環境技術管理部は、東海固体廃棄物廃棄体化施設の焼却設備の設計,旧ウラン濃縮施設の解体など廃止措置を進めるとともに、地層処分技術の信頼性向上,安全評価手法の高度化等に関する試験を実施しました。

放射線管理部は、所内外の放射性物質濃度及び環境放射線の測定を行う (トピックス13-2) とともに環境試料の分析技術開発を行いました。

また、福島技術開発試験部は、核サ研福島技術開発特別チームの活動を支援し、1F事故収束に向けた試験研究を実施しました(第1章トピックス1-131-20)。

モニタリング船による海底土採取

モニタリング船による海底土採取

 

   

J-PARCセンター

2012年度、8サイクルの利用運転を行いました(年間最大利用時間は9サイクル)。所期性能の1 MW出力の実現に向け、年度目標の200 kW運転を定常化させ、10月には300 kWに強度を上げ、パルス当たりの中性子数は世界最高(65兆個)となりました。この優位性を活かし、先端鉄鋼材料の加工誘起相変態挙動の解明(トピックス13-3)、超高精度中性子楕円集光ミラーの開発(トピックス13-4)等の多数の成果が創出され、年間の実験課題申請数は震災前を大きく超え526件に達しました。また、世界最高強度のミュオンビーム(250万個/パルス)も実現し、類似施設のISIS(3万個/パルス)を凌駕しています。さらに、リニアックでのエネルギー増強に用いる環状結合構造の加速空洞(トピックス13-5)の製作を完了させ、材料中の元素,磁場,結晶構造を測定する物質情報三次元可視化装置の整備等を進めています。

J-PARCのビーム出力増強の変遷

J-PARCのビーム出力増強の変遷

 

   

大洗研究開発センター

東日本大震災で被災した施設・設備の復旧工事及び安全対策を行いました。

材料試験炉 (JMTR)は、再稼働に向けて施設の健全性確認を完了し、規制当局(当時、文部科学省原子力規制室)に報告書を提出するとともに、最先端研究基盤事業として軽水炉実機水環境模擬照射装置等の製作・据付を行いました。また、無線式携帯機器により作業者の被ばく情報、健康情報及び位置情報を把握する「リアルタイム多機能入域管理システム」を開発し、本格運用を開始するとともに、99Mo国産化を目指した高密度ペレットの製造技術開発(トピックス13-6)を進めました。

高速実験炉「常陽」は、復旧措置に必要となる装置等の設計・製作を進め、これら装置等の炉外機能確認試験を開始しました。また、「常陽」への適用に向けて、ジルコニウム合金の高温ナトリウムとの共存性の評価(トピックス13-7)を進めました。

高温工学試験研究炉(HTTR)は、再稼働に向けて施設の点検及び設備・機器の健全性に関する総合評価を進めるとともに、中性子検出器の損傷検知手法を確立(トピックス13-8)しました。

JMTRにおける「リアルタイム多機能入域管理システム」の開発

拡大図(330KB)

JMTRにおける「リアルタイム多機能入域管理システム」の開発

作業者が無線式の線量計と位置検知タグを携帯することで、被ばく情報(線量率と積算線量),健康情報(姿勢)及び位置情報が管理サーバに送信されるシステムであり、管理者側でリアルタイムに作業者の情報確認が可能です。

 

   

那珂核融合研究所

核融合エネルギーの実用化を目指した研究開発を進めています。

現在は、主に国際熱核融合実験炉(ITER)計画の国内機関としての機器開発・製作とともに、欧州と共同で実施している「幅広いアプローチ(BA)活動」として、JT-60からITERの支援・補完研究を行うJT-60SAへの改修を実施しています。

2012年度は、ITERの超伝導導体の製作を進めるとともに、超伝導コイルの製作に着手しました。また、JT-60本体の解体を完了し、欧州調達機器であるクライオスタットベースを受け入れ、JT-60SAの組立てを開始しました。

JT-60SAの機器製作も進展し、最も小型の超伝導ポロイダル磁場コイル(EF4)が完成するとともに、真空容器についても実機の40度セクター3体の溶接が行われ合計6体が完成しました。

JT-60SAの欧州製作機器の初搬入と組立開始を披露する式典(2013年3月25日)

JT-60SAの欧州製作機器の初搬入と組立開始を披露する式典(2013年3月25日)

 

   

高崎量子応用研究所

産業応用を目指した新機能・環境調和材料、医療応用・バイオ技術及びビーム分析の研究開発や材料・機器の耐放射線性評価研究のため、4基の加速器からなるイオン照射研究施設(TIARA)と電子・ガンマ線照射施設を原子力機構内外の利用に供しています。また、マイクロビーム、大面積均一照射等のイオンビームの形成・照射に係る技術や、三次元大気マイクロPIXE、マイクロビームによるテフロンの三次元微細加工 (トピックス13-9) 等の応用技術を開発しています。2012年度は、数100 MeV重イオンの大面積均一照射技術開発の一環として、不定形な強度分布のビームを金属薄膜で散乱させてガウス様分布に調整する方法を開発し、これによりArビームを多重極磁場を用いて70 mm×40 mm、均一度±10%の照射野に形成できました。

ビームの形状・均一度を測定する放射線着色フィルムを22枚収納したカートリッジ(大面積均一イオンビーム形成・照射用チェンバー内に設置)

ビームの形状・均一度を測定する放射線着色フィルムを22枚収納したカートリッジ(大面積均一イオンビーム形成・照射用チェンバー内に設置)

 

   

関西光科学研究所

木津地区は、高強度レーザーの品質向上などの高度化を行っています。高強度短パルスレーザーについては、ビームの位置安定性の向上に取り組み、ミラーマウントの交換等により、位置のふらつきを低減させ、実験結果の再現性向上に貢献しました。また、関西光科学拠点ネットワーク「融合光新創生ネットワーク」では、テラヘルツ〜X線、量子ビームに至る超広帯域の光源開発を行っています。

播磨地区は、大型放射光施設SPring-8に設置している専用ビームラインを利用して、物質・材料の機能発現機構や反応機構の解明の最先端解析技術の開発を進め、ナノテクノロジーやエネルギー・環境関連研究、福島復興のための除染技術開発等に応用するほか、施設供用利用や文部科学省委託事業「ナノテクノロジープラットフォーム」を通じて外部研究者の支援も行っています。

高強度レーザー装置(J-KAREN)

高強度レーザー装置(J-KAREN)

 

   

幌延深地層研究センター

高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発として、地下施設を建設しながら、堆積岩を対象とした「地層科学研究」及び「地層処分研究開発」を行っています。

地下施設については、西立坑を深度約50mから約300mまで掘削しました(東立坑と換気立坑は、2011年度までに深度350 mまで掘削済み)。また、深度350 m調査坑道は、換気立坑と東立坑間を貫通するとともに、総延長約760 mのうち約400 mまで掘削しました。

地層科学研究では、地質環境調査技術の開発、深地層における工学的技術の開発及び地質環境の長期安定性に関する研究を継続しました。

地層処分研究開発では、低アルカリ性セメントに関して、周辺岩盤や地下水に与える影響の調査を継続するとともに、深度350 m調査坑道において施工試験を行いました。

深度350 m調査坑道における換気立坑と東立坑間の貫通

深度350 m調査坑道における換気立坑と東立坑間の貫通

 

   

東濃地科学センター

高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、主に花崗岩を対象とした深部地質環境の調査・解析・評価技術や工学技術の研究開発、地質環境の長期安定性に関する研究を実施しています。

岐阜県瑞浪市で「超深地層研究所計画」を進めており、瑞浪超深地層研究所の研究坑道掘削については、深度500 mの水平坑道 (予備ステージ、研究アクセス北及び南坑道) の掘削を行い、2012年度末時点で合わせて約150 mを掘削しました。また、研究アクセス北及び南坑道を掘削するに当たっては、事前にボーリング調査を行い、湧水の量や岩盤の硬さなどを確認しました (トピックス13-10)。調査・研究は、研究坑道掘削時の岩盤壁面調査や、既存ボーリング孔において、地下水の水圧や水質の長期的な観測を継続しました。

深度500 m水平坑道(予備ステージ)における坑道貫通部分(2012年7月30日貫通)

深度500 m水平坑道(予備ステージ)における坑道貫通部分(2012年7月30日貫通)

 

   

人形峠環境技術センター

昭和30年代から行われてきたウラン鉱山の探鉱・採掘活動により生じた捨石や鉱さいをたい積している鉱山関連施設があります。これらは活動が終了した施設として鉱山保安法に基づき危害及び鉱害防止の観点から施設の維持管理を行うとともに、安全確保を大前提に技術開発を行いながら適切な跡措置を進めています。

跡措置を進めるにあたっては、鉱さいたい積場を跡措置の最優先課題として位置付け、基本的な考え方の整理や具体的な跡措置に向けた試験・調査・設計等を行い、鉱さいたい積場上流側の廃砂たい積場については、覆土による原位置での措置工事を2012年度に終了しました。今後、この成果を下流側の廃泥たい積場の跡措置に取り入れる予定です。

私たちは、このほか、ラドン温泉の効果に関する研究(トピックス13-11)など、地域的特徴に着目した研究や開発に取り組み、地域と共に歩んでいます。

跡措置工事前後の廃砂たい積場

跡措置工事前後の廃砂たい積場

 

   

青森研究開発センター

六ヶ所地区は「幅広いアプローチ (BA) 活動」の拠点として、核融合原型炉開発のため、国内第2位の性能を持つスーパーコンピュータを用いた核融合計算機シミュレーションや様々な材料分析/試験の装置を用いた核融合構造材料の開発を初めとした要素的研究開発等を進めています。さらに、欧州が調達した国際核融合材料照射施設(IFMIF)のための原型加速器入射器の搬入が完了し、この秋から調整試験を開始する予定です。

むつ地区は、研究施設等廃棄物埋設施設の操業を見据えた大型機器一括撤去処分等合理的・経済的な解体手法にかかわる調査検討、含有される有害物の調査など原子力第1船原子炉施設の廃止措置並びに加速器質量分析装置 (AMS) による極微量元素分析及び分析技術の開発を継続して行うとともに原子力機構内外の利用に供しています。

IFMIF/EVEDA(国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動)開発試験棟への原型加速器入射器の搬入作業

IFMIF/EVEDA(国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動)開発試験棟への原型加速器入射器の搬入作業

 



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