2 安全研究

安全性の継続的改善を実現するために

図2-1 安全研究センターの体制

図2-1 安全研究センターの体制

多様な原子力施設の安全評価(主に設計基準事象内)に加え、シビアアクシデントの起因事象・進展・環境影響等の研究に取り組むため、2014年4月から安全研究センターの体制を強化しました。

 

図2-2 安全研究と関連する原子力機構の主な施設
拡大図(514KB)

図2-2 安全研究と関連する原子力機構の主な施設

安全研究センターでは、原子力機構の様々な実験設備を活用して、国際的にも貴重な実験データを取得し、原子力施設のリスク評価などの安全評価手法や判断基準の整備に役立てています。

安全研究センターでは、原子力施設で深刻な事故が起きる可能性や影響を評価する手法の開発・整備を通じて、軽水炉をはじめとする様々な原子力施設の安全確保・向上に役立つ研究を進めてきました。しかし、東日本大震災による巨大な地震と津波によって、東京電力株式会社福島第一原子力発電所(1F)で大規模な事故が起きてしまいました。私たちもこれまでの研究成果を活用して、国の緊急時対応等に協力してきましたが、安全研究の専門家集団としてこの事故を防ぐことができなかったことに対し責任を痛感しています。

私たちが利用する技術には常に改善の余地があり、技術をより安全かつ効果的に使うためには、常に状態をきちんと理解して対応する能力を高め、必要な道具を磨いていかなければなりません。1F事故の調査を行った国際原子力機関や原子力規制委員会も継続的改善の重要性を指摘しています。このため私たちは、「合理的に達成できる安全の最高水準を目指した継続的改善の追求」に貢献するため、安全研究に取り組んで参ります。

特に、原子力施設等のリスクを低減するため、シビアアクシデント(SA)の防止及び評価に関する研究並びに環境影響評価等の原子力防災に関する研究について、SAへの進展を評価する手法の高度化並びにSAを想定した緊急時への準備の充実を図るための研究を重点的に進めるため、図2-1に示すように体制を強化しました。

また、原子力施設の安全を脅かす可能性のある多様な現象について、図2-2に示す施設を活用して研究を進めています。これらは、原子力特有の現象を研究するため、放射性物質を取り扱うことができ、厳しい事故条件を模擬できるなどの特殊な能力を有する施設です。

本章では、最近の研究成果から、燃料被覆管破損シミュレーションの開発(トピックス2-1)、原子炉圧力容器クラッドの中性子照射に伴うき裂進展に対する破壊特性の変化(トピックス2-2)、経年化機器に対する確率論的評価技術の開発(トピックス2-3)、加圧水型原子炉で冷却材喪失事故が起きた際のガス流入データ分析技術(トピックス2-4)といった軽水炉施設に関する安全研究、廃棄物処分場への粘土材料の適用性検証(トピックス2-5)並びに再処理施設における高レベル濃縮廃液の冷却機能喪失に係る重大事故評価(トピックス2-6)に関する成果を紹介します。

なお、当センターが取り組んできた1F事故対応に関して、原子炉建屋等の地下に蓄積した汚染水からのヨウ素131放出(第1章トピックス1-18)に関する成果を記載しています。



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