11-4 再処理オフガスの測定による燃焼度と燃料中に含まれるプルトニウム量の評価手法の開発

−キセノン同位体比測定による燃焼度とプルトニウム生成量評価法−

図11-8 溶解オフガス工程の概要

図11-8 溶解オフガス工程の概要

使用済燃料の溶解時に発生するオフガスはオフガス処理工程(コンデンサ、酸吸収塔、洗浄塔、HEPAフィルタ、ヨウ素フィルタ)を経て安全なレベルまで放射性物質を除去した後、主排気筒より放出されます。

 

図11-9 燃焼度の比較

図11-9 燃焼度の比較

 

表11-1 プルトニウム量の比較

表11-1 プルトニウム量の比較


使用済燃料のせん断及び溶解時に発生するオフガス成分の一つであるキセノンの同位体比は、主として原子炉内での核反応の進行度に依存することから、原子炉の型や燃焼度及び燃料中のプルトニウム生成量と相関を持つことが知られています。オフガス中のキセノン同位体比を測定することにより、再処理している使用済燃料を評価する手法は、保障措置の観点から期待されています。

このため、米国ロスアラモス研究所では、オフガス中のキセノン同位体比を測定することにより、評価・解析する計算手法(NOVA:NOble gas enVironmental monitoring Application)を開発してきました。しかしながらキセノン同位体の実際の測定データを用いての検証はなされていないことから、東海再処理工場において溶解オフガス中のキセノンの同位体比を測定し、使用済燃料の炉型や燃焼度及びプルトニウム生成量の評価手法としての可能性の確認を行いました。

実験は、BWR燃料を再処理した際のオフガスを採取し、四重極型ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)によりキセノン同位体比(130Xe/134Xe,131Xe/134Xe,132Xe/134Xe)を測定し、更にNOVAコードにより炉型、燃焼度及びプルトニウム量を評価しました。

その結果、炉型はBWR燃料であることが特定されました。更に、図11-9に示すように燃焼度は直接的に測定された結果と一致しました。また、プルトニウム量については、表11-1に示すように、他の実績のある計算コード(ORIGENコード)を用いて算出した値と良好に一致しました。

以上のことから、オフガス中のキセノンの同位体比を測定することにより、使用済燃料の炉型と燃焼度及びプルトニウム量を間接的に評価・特定することが可能であることが分かりました。


●参考文献
Okano, M. et al., Development of Analysis Method for Plutonium Amount and Burn up by Measurement of Xenon Isotopic Ratio in Dissolver Off-Gas at Reprocessing Facility, Proceedings of the 46th Annual Meeting of the Institute of Nuclear Materials Management(INMM), Phoenix, USA, 2005.


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