1-5 次世代型燃料サイクル(再処理+燃料製造)の開発

−先進湿式法/簡素化ペレット法に関する研究開発−

図1-12 先進湿式法と簡素化ペレット法の組合せ
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図1-12 先進湿式法と簡素化ペレット法の組合せ

先進湿式法では、晶析工程にてウランを粗取りすることにより、共除染・逆抽出工程での処理量の削減がで きます。また、ウラン、ネプツニウム、プルトニウムを低除染で一括回収することにより、ウラン・プルトニウムの精製工程を削減できると共に、核拡散抵抗性 を向上させることができます。簡素化ペレット法では、プルトニウム富化度調整を溶液状態で調整するため、粉末混合工程が削減できます。また、潤滑剤の混合 を不要とするダイ潤滑成型技術を採用したり、低除染・マイナーアクチニドリサイクルを可能とするセル内での遠隔燃料製造技術を採用します。

高速増殖炉サイクルでは、リサイクル燃料へのFP混入 (低除染)を許容できることから、次世代型燃料サイクル技術として、図1-12に示すような先進湿式法と簡素化ペレット法を組み合わせたプラント概念を構築しました。先進湿式法では、共除染工程にてウラン、ネプツニウム及びプルトニウムを一括回収することで、従来法 (ピューレックス法)で必要とされた「ウラン精製工程」及び「プルトニウム精製工程」を削除することができます。更に、再処理システムと燃料製造システムを同一の施設内に設置することで高い経済性が達成できる可能性があります。

一方、従来システムに比べて、再処理についてはマイナーアクチニド回収工程が付加されること、燃料製造については低除染の燃料を扱うためホットセルでの遠隔燃料製造が必須となることなどのコスト増を招く要因もあります。

これらの課題について、設備合理化や新たな技術の導入を検討することにより、従来システムと比べ施設建設費を半減できることを明らかにしました。具体的な設計上の工夫としては、まず晶析法により設備の合理化を図ることとしました。晶析法とは、使用済燃料の溶解液中の重金属の大部分(約80%)を占めるウランの約70%を粗回収する技術であり、これにより後工程(共除染・逆抽出工程)の処理量を大幅に低減することが可能となります。また、マイナーアクチニドの回収では抽出クロマト法により、設備機器のコンパクト化を図ることとしました。燃料製造については、遠隔での燃料製造に伴うデメリットを克服するために、ウランとプルトニウムの硝酸溶液段階での混合によりプルトニウム富化度調整を可能とする簡素化ペレット法を採用し、従来のペレット製造工程の多くを占める粉末混合工程を削除することとしました。以上の検討により、開発目標である経済性や資源有効利用性、環境負荷低減性及び核拡散抵抗性の設計要求を満足することができるシステムを構築することができました。

先進湿式法では晶析法やマイナーアクチニド回収などのシステム・機器開発が必要となりますが、東海再処理工場や六ヶ所再処理工場における多くの技術的知見を活用して、高い確度で技術的実現性を見通すことができます。仏国においても次世代技術として湿式再処理システムの開発に取り組んでおり、国際協力により技術的実現性の向上が期待できます。また、燃料製造については、遠隔保守・補修性などを考慮した機器を採用しますが、簡素化ペレット法の基本的なプロセスは従来のペレット製造と共通しているため、これについても高い確度で実現性を見通すことができるものと考えられます。


●参考文献
日本原子力研究開発機構, 日本原子力発電株式会社, 高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究 フェーズII最終報告書, 2006, JAEA-Evaluation 2006-002, 191p.


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