トップページ未来を拓く原子力2007>11 核不拡散科学技術開発>11

11 核不拡散科学技術開発

原子力平和利用を支える核不拡散技術開発

図11-1 包括的核実験禁止条約(CTBT)国際検証体制の仕組み

図11-1 包括的核実験禁止条約(CTBT)国際検証体制の仕組み

包括的核実験禁止条約機関準備委員会は、世界中に4種類(地震,放射性核種,水中音波,微気圧振動)の監視観測所網を設置して核爆発実験を国際的に監視する国際監視制度を構築し、すべての締結国に関連情報の提供が可能な検証システムの整備を進めています。

 

図11-2 CTBT沖縄放射性核種監視観測所の外観

図11-2 CTBT沖縄放射性核種監視観測所の外観

大気中微粒子捕集・放射性核種観測装置の整備を行い、沖縄観測所は2007年2月にCTBT機関の公認施設として認定され運用を開始しました。

私たちは、国の核不拡散政策立案を支援するための政策調査研究と、国及び国際機関を支援するための核不拡散技術開発を二つの柱として、これに加えて世界の非核化の支援,自らの核物質管理の着実な実施と関連技術の開発,この分野の人材育成・人的貢献を行っています。

政策調査研究

私たちの技術的な知見に基づき、核不拡散に係る政策研究として、「日本の核不拡散対応のモデル化」と「アジア地域の原子力平和利用の信頼性・透明性向上に関する研究」の2テーマを実施しています。

2006年度は原子力開発・平和利用にどのような核不拡散対応が必要なのか、我が国をモデルとして研究するとともに、これらの成果については、国際フォーラム等を開催して紹介しました。また国への支援として、国際的に議論されている燃料供給保証及び核不拡散強化に関する有識者による会議開催,海外動向調査等、調査・研究を実施しました。

核不拡散技術開発

2006年度は保障措置概念検討,環境試料分析技術開発,透明性向上・核拡散抵抗性(核拡散し難さ)等に関する検討を実施しました。

将来のFBRサイクルシステムの確立に向けて効果的・効率的な保障措置・計量管理が可能となるような先進的保障措置システムの開発を行っており、米国とのGNEP研究協力においても、次世代型の保障措置・核物質防護の共同研究について検討を行いました。

未申告の原子力活動の検知を目的とする保障措置環境試料分析では、1μm未満のウラン粒子の検出が可能なフィッショントラック法の開発及び精度向上に係る技術開発を行いました。

平和利用に関する信頼性向上・透明性向上の技術開発として、「常陽」における遠隔監視技術研究では、情報セキュリティを向上させたシステムへの改造を行い、その実証試験を開始しました。 また、第四世代原子力システム国際フォーラムや、IAEA次世代炉開発プロジェクトの取組みに参画し、将来の核燃料サイクルシステムの核拡散抵抗性評価手法に関する研究を行いました。

非核化支援

世界の核軍縮・非核化に貢献する技術開発として、ロシアの余剰核兵器解体に伴い発生するプルトニウムをMOXバイパック燃料として高速炉で燃焼処分するという方法を提案してきました。1999年から実施している共同研究の成果に基づいて成立性が示された高速炉による処分は、米露間でその有効性が認められ、2006年7月ロシア高速炉(BN600)での先行処分に進むことが示されました。

また、包括的核実験禁止条約(CTBT)関係では、世界各国の放射性核種観測所で得られた試料の詳細分析を東海実験施設で継続実施するとともに、高崎観測所では大気中微粒子捕集・放射性核種観測装置に加え、地下核実験にも対応するため希ガス観測装置を設置しました。高崎観測所に引き続き、2006年度に東海実験施設及び沖縄観測所の技術水準についてCTBT機関準備委員会の認証を受け、これですべての施設がCTBT機関の公認施設として運用を開始しました(図11-1,図11-2)。

核物質管理

保障措置においては、米国エネルギー省との協力協定に基づき、各種技術開発プロジェクトを実施し、IAEA保障措置実施に技術的な貢献をしてきています。これら技術開発・応用経験を活かして内外の人材育成にも協力しています。

核物質防護においては、カメラ映像,画像処理装置等で構成する施設敷地内侵入者自動監視システムの性能確認試験を行うなど、核物質防護の強化の一環としての技術開発を行いました。

核物質輸送においてもMOX原料粉等を安全に効率的に輸送するための技術開発を行いました。



| | | | |