7-2 将来の廃棄物処理処分技術の考案

−分離変換技術による高レベル放射性廃棄物処分場の規模縮小−

図7-7 分離変換技術の概要

図7-7 分離変換技術の概要

従来技術では一括して地層処分されていた高レベル廃液を、分離後、それぞれの特性に合わせて処理・処分する技術です。

 

図7-8 分離変換技術による高レベル廃棄物(HLW)処分場の縮小

図7-8 分離変換技術による高レベル廃棄物(HLW)処分場の縮小

ガラス固化体4万本を処分する地層処分場にTRU廃棄物処分場が併設されると仮定します。分離変換技術の導入によってHLW処分場の規模は1/4になります。更に、発熱性のSr-Cs焼成体を長期貯蔵することで、すべてのHLWをTRU廃棄物(地層処分)と同様に処分できる可能性があります。

 

図7-9 様々な軽水炉使用済燃料に対する処分場での定置面積

図7-9 様々な軽水炉使用済燃料に対する処分場での定置面積

UO2はウラン燃料、MOXはプルサーマル燃料、CTは取り出し後再処理までの冷却期間を意味します。プルサーマル燃料では分離変換技術の効果が顕著に現れていることが分かります。

現在、再処理工場で発生する高レベル廃液は一括してガラス固化処理され、地層処分される方針です。分離変換技術とは、図7-7に示ように、将来の再処理工場で、高レベル廃液からマイナーアクチニド(MA),白金族元素(PGM)及び発熱性元素(ストロンチウム−セシウム,Sr-Cs)を取り除き、MAは核変換、白金族元素は再利用する技術です。核変換技術とは、加速器駆動システムや高速炉の中性子により対象核種を安定あるいは短寿命核種に変換する技術です。Sr-Csと残ったその他の元素は廃棄物となります。私たちの研究では、この廃棄物をそれぞれの特性に合わせて処理・貯蔵し、合理的に処分できる、全く新しい廃棄物管理を提案しています。

発熱性のSr-Csは頑強なSr-Cs焼成体、その他の元素は高含有ガラス固化体として処理されます。それぞれ、従来のガラス固化体に比べて極めて発熱が高い廃棄体と、発熱が大きく低減された廃棄体となります。

これらの廃棄体を従来と同様の地層処分概念で処分した場合、図7-8に示すように、処分場の面積は1/4程度にまで減少します。これは、発熱性元素を頑強なSr-Cs焼成体に集中し、貯蔵を容易にして130年間貯蔵した効果と、非発熱性元素を集中し、ガラス固化体の本数を4万本から8千本程度に低減した効果です。また、Sr-Cs焼成体を320年、高含有ガラス固化体を45年間貯蔵することで、長半減期低発熱放射性廃棄物(いわゆるTRU廃棄物)相当の廃棄体とできる可能性が示されています。

様々な使用済燃料からの高レベル廃棄物に対する効果も研究されています(図7-9)。特にプルトニウムを用いた使用済燃料では、再処理までの冷却期間が長引くと発熱性核種である241Amの蓄積が進み、処分に非常に広い面積を必要とするため注意を要します。この場合でも、MAを核変換することでコンパクトな処分場の実現が可能となります。分離変換技術の導入によって処分場の規模が小さくできることは、言い換えれば、同じ規模の処分場を、長い期間にわたって有効に利用できることを意味しています。


●参考文献
Oigawa, H., Nishihara, K. et al., Parametric Survey for Benefit of Partitioning and Transmutation Technology in Terms of High-level Radioactive Waste Disposal, Journal of Nuclear Science and Technology, vol.44, no.3, 2007, p.398-404.


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