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10 原子力エネルギー基盤連携

産学のニーズを踏まえた研究開発を効率的に推進

図10-1 原子力エネルギー基盤連携センター及び関連組織
拡大図(217KB)

図10-1 原子力エネルギー基盤連携センター及び関連組織

 

図10-2 IG-110黒鉛のX線CT画像

図10-2 IG-110黒鉛のX線CT画像


私たちは、原子力機構が保有する原子力施設・設備を利用して、産学との連携を強化し、社会のニーズを踏まえた研究開発を推進しています。その一環として、原子力基礎工学研究部門を中核とした「原子力エネルギー基盤連携センター」を2005年度に設置し、広く産学のニーズに対応して、原子力の革新的技術開発のための共同研究,技術移転,技術協力などを効率的に行うことができるプラットフォーム機能を提供しています。提供に当たっては企業や大学と連携協力協定を結び、産学と原子力機構との研究者・技術者からなる特別グループを設置します。これにより、産学からの研究者・技術者が原子力機構職員と同等の身分を有し、原子力機構内の必要なインフラ,施設・装置を利用して共同で研究開発を行うことが可能となりました。また、活動に必要な予算はそれぞれが持ち寄ることを基本としますが、連携して競争的資金(公募)を獲得する場合もあります。

現在、四つの分野で特別グループが活動しています(図10-1)。「原子力エネルギー基盤連携センター」が発足した2005年度には次世代再処理材料開発分野の特別グループを立ち上げました。その後、2006年度には軽水炉熱流動技術開発分野及び廃棄物中のウラン(U)・プルトニウム(Pu)の超高感度非破壊検出法開発分野においてそれぞれ特別グループを設置し、更に2007年度には高温ガス炉材料開発分野の特別グループを立ち上げました。
 次世代再処理材料開発分野においては、株式会社神戸製鋼所と連携協力して、複合溶製法(CCIM-Caハライド精錬法+EB-CHR法)を開発し、それを用いて超高純度ステンレス鋼(EHP合金)を製作し、再処理苛酷環境での耐粒界腐食性や溶接性を確認しました(トピックス10-1)。数100kgの試験溶製では、原子力級のスクラップを使用しても、有害不純物量を100ppm以下に低減できる商用溶製技術の目処を得ています。

軽水炉熱流動技術開発分野では、連携企業とともに、軽水炉の経済的設計の妥当性を確かめるための試験を情報管理に配慮しつつ行っています。廃棄物中超高感度U・Pu非破壊検出法開発分野においては、廃棄体内部のUとPuの分布を正確に測定できるように高速中性子直接問いかけ法を開発しました。従来法より検出限界を100倍以上改善できる見通しを得ています。実用化に向け、株式会社IHIと連携協力して、更に高精度・高感度で検出するための技術開発を進めています。また、ここで培った技術を多方面に展開するため、東京大学及び株式会社IHIと連携して、手荷物中に隠匿された核物質を探知するシステムの実用化を目指した研究開発も併せて進めています。

高温ガス炉材料開発分野においては、東洋炭素株式会社とともに超高温ガス炉炉心用材料である高品質黒鉛の照射下での長寿命化に資するため、照射データベースの構築と照射効果の評価手法の開発を進めています。平均粒径が20μmと微粒のIG-110黒鉛について、三次元X線CTで高倍率撮影し(図10-2)、画像解析処理を行うことにより、照射効果に影響する微細気孔の分布を三次元測定できる見通しを得ました。



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