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1 次世代原子力システム研究開発

FaCTプロジェクトの着実な推進
−革新的なFBRサイクル技術の成立性を見極めるために−

図1-1 高速増殖炉サイクル実用化研究開発 〜FaCTプロジェクト〜
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図1-1 高速増殖炉サイクル実用化研究開発 〜FaCTプロジェクト〜


高速増殖炉(FBR)サイクルは、「環境と経済の両立」「世界を勝ち抜く産業競争力の強化」などといった政策目標の達成に資する技術として、第三期科学技術基本計画の定める国家基幹技術に指定されています。原子力機構では、FBRサイクルの実用化戦略調査研究の成果に対する国の評価・方針提示を踏まえ、2025年頃の実証炉運転開始、2050年より前の実用炉の商業ベースでの導入に資するため、「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」(英名“Fast Reactor Cycle Technology Development”、略称“FaCT”プロジェクト)を推進しています(図1-1)。

FaCTプロジェクトでは、経済性,安全性,資源有効利用性,環境負荷低減性,核拡散抵抗性の開発目標への適合性が高く、現在の知見で実用施設として実現性が最も高い概念である酸化物燃料を用いたナトリウム冷却FBR、先進湿式法再処理及び簡素化ペレット法燃料製造の組合せを対象としています。これらの各技術を実用レベルまで高めるには、概念に用いている革新的な技術を具体化し、成立性を見極める必要があります。FaCTプロジェクトでは、革新的な技術に係る要素技術開発や高速増殖原型炉「もんじゅ」の研究開発の成果を設計研究に反映し、2010年に革新的技術の採否判断とその後の革新的技術の成立性見極めを行い、2015年に実証炉及び実用炉の概念設計と実用化に向けたその後の研究開発計画を提示することを目的としています。

FBRシステム

FBRシステムの実用化には、経済性,信頼性,安全性向上に係る課題があります。具体的には、建屋容積や物量の低減に資する高性能の材料と構造・機器の開発,冷却系簡素化・原子炉容器のコンパクト化と伝熱特性の最適化,炉心損傷時の再臨界回避技術の確証などです。トピックス1-1〜1-7では、これらの研究開発の最前線をご紹介します。

燃料サイクルシステム

燃料サイクルシステムでは、革新的な処理プロセスの安全性や制御性,運転,保守・補修性に優れた機器の開発などが課題となっています。再処理では、使用済燃料溶解液中の大部分のウランを固体で回収する晶析技術やマイナーアクチニドを回収する工程の開発が挑戦的な課題です。燃料製造については、ペレット加工の工程数を大幅に簡素化するための基礎である脱硝・転換技術や発熱性の物質を遠隔で取扱う諸技術の開発などが従来にない課題です。トピックス1-8〜1-11では、それら研究開発の成果からご紹介します。

プロジェクトの推進

実証炉の研究開発については、明確な責任体制のもとで効率的に開発を実施できるよう、責任と権限及びエンジニアリング機能を集中させた国内の開発体制が2007年に構築され、電力,メーカーなどとの連携のもと、研究開発成果を適宜取り込みながら設計研究を進めています。

また、燃料サイクルについては、2010年頃からの国による第二再処理工場の検討に向けた予備的な調査・検討を、原子力機構が中核となって行っています。

更に、開発リスクの低減や我が国技術の世界標準化に向け、日仏米三カ国によるナトリウム冷却FBR実証炉/プロトタイプ炉実現に向けた研究開発協力に関する覚書を締結するなど、三カ国協力を基軸としつつ国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)などの多国間協力も活用した国際協力を推進しています。



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