9-1 合理的な原子力施設の廃止措置の実施に向けて

−廃止措置費用の迅速評価手法の開発−

表9-1 施設の特性に応じた解体方法と評価項目の関係

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表9-1 施設の特性に応じた解体方法と評価項目の関係

 

 

図9-2 β・γ系/U系設備・機器の重量と作業人工数の関係

図9-2 β・γ系/U系設備・機器の重量と作業人工数の関係

 

図9-3 評価結果と実績データの比較

図9-3 評価結果と実績データの比較


原子力機構には、原子力の研究開発に供してきた多種多様な原子力施設がありますが、その使命を終えると、やがて廃止措置されることになります。これらの多数の施設の廃止措置の実施に当たっては、長期的展望を踏まえた適切な廃止措置計画を作成することが重要です。

この長期的な廃止措置計画を検討するに当たっては、廃止措置に要する費用をあらかじめ評価しておくことが必要となります。廃止措置費用の評価には、一般的には、施設内に存在する設備・機器などの重量及び汚染分布などの詳細な施設情報や具体的な解体計画などが必要ですが、その詳細が確定するまでには、多くの時間と労力を要します。そこで、詳細な情報がない場合でも、廃止措置費用を迅速かつ定量的に評価する手法を作成する必要があります。ここで、設備・機器の解体撤去などに要する作業人工数をどのように定量化するかが課題となります。作業人工数が分かれば、作業人工数と人件費単価から解体作業に要する費用及びその他の調査計画費や作業管理費なども評価することができます。

作業人工数は、施設の種類に応じて用いられる解体方法に依存します。そこで、原子力施設を原子炉施設,核燃料施設,研究施設などに分類し、施設と解体方法との関連付けを行いました(表9-1)。また、作業人工数は、解体方法に応じて設備・機器の重量、あるいは作業対象領域の面積などに依存します。両者の間に相関関係が成立することを考慮し、重量,面積などから作業人工数への換算係数を、原子力機構での実績データ(動力試験炉の解体,再処理工場での改造工事など)を分析して作成しました。分析結果の例を図9-2に示します。こうして、種々の原子力施設と解体工法に適用可能で、迅速に廃止措置費用を評価する手法を開発しました。

本評価手法の妥当性を検討するために、原子力科学研究所の廃止措置施設「プルトニウム研究2棟(Pu研2棟)」及び「セラミック特別研究棟(セラミック特研)」(両施設とも非密封放射性物質取扱施設)に対して本手法を適用し、実績データと比較しました(図9-3)。その結果、本手法による評価結果と実績データが良く一致しており、本評価手法の妥当性を確認しました。


●参考文献
白石邦生, 立花光夫, 石神努ほか, 原子力施設の廃止措置費用評価手法の検討, JAEA-Technology 2007-057, 2007, 46p.


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