11-1 効率的なクリアランスの判断に向けて

−評価対象核種を選定するプログラムの開発−

図11-2 評価対象核種選定プログラムのメインフロー
図11-2 評価対象核種選定プログラムのメインフロー

汚染源(核分裂生成物や腐食生成物等)又は汚染性状(二次的汚染,放射化汚染,それらが混在した汚染等)に応じて評価対象核種(クリアランス判断に当たって放射能濃度の測定・評価の対象となる核種)を選定できる構造としました。

 

図11-3 総合評価法による相対重要度等の評価画面の例
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図11-3 総合評価法による相対重要度等の評価画面の例

汚染源ごとに入力した推定放射能濃度等を用いて、総合評価法により汚染性状ごとの相対重要度等を評価できる構造としました。

私たちは、原子力施設の廃止措置などに伴い放射能濃度の低い多量の解体廃棄物を対象にクリアランスを計画しています。このためクリアランスの作業の軽減と効率化を図り、確実な解体廃棄物のクリアランスを支援するクリアランスレベル検認評価システム(CLEVES)の開発を進めています。

このうち、原子炉施設について放射能濃度確認規則にクリアランスレベル(C)が示された33核種の中からクリアランス対象物の汚染性状,汚染源に応じた相対重要度(クリアランス対象物,汚染性状及び汚染源ごとに最大となった核種のD/Cを1として、ほかの核種のD/Cとの相対比を規格化したもの)などを評価し、規制基準に応じた評価対象核種の選定を支援する評価対象核種選定プログラムを作成しました。評価対象核種選定プログラムでは、原子炉施設の種類や構造などの特徴を考慮し、クリアランス対象物の汚染性状に応じた汚染源を選択し、汚染源ごとの推定放射能濃度(D)等を入力します(図11-2)。次に、個別評価法又は総合評価法により推定放射能濃度等から相対重要度等を評価します。

個別評価法では汚染源ごとの相対重要度等を評価し、総合評価法では汚染性状等の推定放射能濃度等を求め、汚染性状ごとの相対重要度等を評価します。図11-3に総合評価法による相対重要度等の評価画面の例を示します。その後、相対重要度等を用い、原子炉施設における規制当局の基準に応じて、33核種の中から評価対象核種を選定します。また、作成した評価対象核種選定プログラムを用いて原子力機構で進めているJRR-3の改造に伴って発生したコンクリートのクリアランス作業を対象として試計算を行いました。総合評価法により評価対象核種の検討を行った結果、Co-60,Cs-137,Eu-152の3核種が評価対象核種として抽出されました。また、個別評価法により評価対象核種の検討を行った結果、H-3,Co-60,Sr-90,Cs-137,Eu-152の5核種が評価対象核種として抽出されました。

このように本評価対象核種選定プログラムでは、汚染源ごとに評価を行う個別評価法や汚染性状ごとに評価を行う総合評価法による評価対象核種の選定が可能となり、利用者のニーズに合わせて、多様に利用することができます。今後、原子力機構におけるクリアランス作業に順次適用していく予定です。


●参考文献
立花光夫ほか,クリアランスレベル検認評価システムの開発 I;評価対象核種選定プログラムの作成, JAEA-Data/Code 2009-019, 2010, 52p.


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