14-2 軽水炉試験を加速する静電容量ボイド率計の開発

−高温高圧条件下でボイド率のリアルタイム計測達成−

図14-4(a)BWR熱特性試験装置(7MPa)
図14-4(b)FBR用蒸発生器流動試験装置(18MPa)

図14-4 静電容量式ボイド率計測法を適用した試験装置

(a)はBWR熱特性試験装置です。電気発熱式37本バンドルを試験体内部に装着しています。シュラウド内壁に取り付けた円板状の電極でボイド率計測を行います。
(b)はFBR用蒸気発生器流動試験装置です。試験部は二重管構造の垂直細管で、外周に設置の電気ヒータにより加熱します。図下にボイド率計電極の写真を示しました。

 

図14-5 BWR熱特性試験ボイド率計測結果

図14-5 BWR熱特性試験ボイド率計測結果

図14-4(a)を用いたBWR熱特性試験結果を示します。図より、流量が増大するほど、同一クオリティー(蒸気の質量割合)に対してボイド率が増大する傾向を示し、従来の知見と合致する結果が得られました(クオリティーはバンドル加熱量とともに増大します)。

沸騰水型軽水炉(BWR)では、炉心のボイド率(流路内の気相が占める体積率)が変化すると、炉心出力,燃料転換比,炉心冷却性能が急速に変化することからBWR熱特性試験では実機相当の高温高圧条件下でボイド率をリアルタイム計測する技術が嘱望されていました。このため、気液二相流の静電容量がボイド率とともに関数的に変化することを利用する静電容量計測法(C計測法)を開発しました。従来技術では、リアルタイム計測や高ボイド率域の計測が困難でした。またボイド率計測特性式を直線近似していたため計測誤差がありました。

C計測法の適用性を検証するため実施した急速遮断法による較正試験結果から、ボイド率の計測特性線は一定の双曲線であること、測定範囲は全領域、水質の影響を受けないことを確認しました。更に高温高圧用試験のため電極の絶縁材に金属と膨張率が等しいセラミックを採用した結果、最大330℃,18MPaの高温高圧条件での耐久性を確保しました。

本計測法を以下の試験に適用し、ボイド率計測データを取得しています。一部の測定では電気抵抗(R)計測法も利用しています。

(1)BWR熱特性試験(高増殖比及び超高燃焼度の特徴を有す水冷却増殖炉の開発試験)(図14-4(a),図14-5)

(2)BWR核熱結合試験(BWR運転時の炉心安定性試験)

(3)過渡ボイド試験(燃料棒急加熱時の安全余裕度確認試験)

(4)FBR用蒸気発生器流動試験(FBR2次系の蒸気発生器を構成する小径管内流動不安定性試験)(図14-4(b))

(5)BWRプレナム流動特性試験

この研究開発はボイド率計測が重要課題である軽水炉安全性試験や新型炉開発試験の試験研究に貢献します。

応用計測技術として、マイクロチャンネルのボイド率計測法を開発しました。CPU用小型冷却器などのマイクロマシーンの開発に適用されることが期待されています。


●参考文献
渡辺博典ほか, 静電容量検出型電気式ボイド率計の実用化に関する実験的研究, 日本機械学会論文集B編, vol.74, no.742, 2008, p.1257-1262.


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