14-4 Pu,U分析の更なる信頼性向上

−核燃料施設として国内初のISO試験所認定取得−

図14-8 共同分析結果

図14-8 共同分析結果

仏国CETAMAの主催する認証標準物質を用いた共同分析に参加し、私たちの測定結果が認証値に対して、精確であることが確認されました。
(エラーバー:測定結果の不確かさ(95%信頼限界))

 

図14-9 ISO/IEC 17025認定範囲

図14-9 ISO/IEC 17025認定範囲

MOX燃料ペレット及びその原料粉を分析所に受け入れ、質量分析(MS)法によるPu,Uの同位体組成分析を行うこと及び同位体希釈質量分析法(IDMS)によるPu,Uの含有率分析を行うことが認定範囲になります。

核燃料物質を取り扱う施設においてPu及びUを精確に分析することは、工程管理上は無論のこと、保障措置上も極めて重要で、IAEAや国の行う査察検認の前提となっています。

プルトニウム燃料技術開発センター技術部品質管理課では、これまでISO9001に基づく品質管理を行うとともに、より品質の高い分析結果を提供するために、以下の技術的改善を図ってきました。

(1)各国の分析所に認証標準物質を供給している米国DOE傘下の研究所であるNBLとの共同研究により、私たちが行っているPu及びUの分析に係る測定の不確かさを、ISO/IEC Guide 98-3に基づいて推定する手順を確立しました。

(2)仏国CEA傘下の研究所であるCETAMAや、NBLの主催する共同分析に参加し、私たちの分析結果が、認証値に対して精確であり、海外の主要研究機関と比べても遜色ない分析精度であることを確認しました(図14-8)。これはPu濃度及びU濃度の保障措置分析に求められる国際目標値(ITV)の±0.36%(2σ)に比べ、非常に良いといえます。

(3)これまで核燃料物質中のPu及びUの分析は、国内の各機関でその手法が統一されていなかったことから、今後分析結果の信頼性を向上させるためにも、国内で標準化することが重要と考え、日本原子力学会内に「計量保障措置分析品質保証特別専門委員会」を設置し、分析法の国内標準化を図りました。これにより、私たちの分析手法が、標準法として認められるものであることが確認されました。

これらの結果、私たちは、図14-9に示す認定範囲において、2010年3月1日、社団法人日本化学工業協会(日本化学試験所認定機構)により、国内の核燃料施設で初めてISO/IEC 17025:2005(JIS Q 17025:2005)(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項の国際標準規格)に基づく試験所として認定されました。ISO/IEC 17025は、組織の品質保証体制を認証するISO9001に対し、ある試験所が特定の試験を行う能力を持っていることを、国際規格に基づき第三者機関が認定する制度で、認定を受けた試験所の出す試験結果の信頼性は、国際的にも認められることになります。

今後も常に信頼性の高い分析結果を提供することで、核燃料施設における核物質の精確な計量管理に貢献し、核物質利用の透明性を高めていきます。


●参考文献
Sumi, M. et al., Experience on Preparation of LSD Spikes for MOX Samples, Proceedings of the Institute of Nuclear Materials Management, Tucson, Arizona, USA, 2009, Abstract #292, 9p., in CD-ROM.


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