12-11 大深度地下を掘削する

−瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削−

図12-26 「瑞浪超深地層研究所」研究坑道のレイアウト

図12-26 「瑞浪超深地層研究所」研究坑道のレイアウト

両立坑深度は2011年3月31日時点の掘削深度です。

 

図12-27 主立坑内から地上方向を見上げた状況

図12-27 主立坑内から地上方向を見上げた状況

直径6.5 mの空間が地上へと続いている状況です。

 

図12-28 換気立坑における壁面観察

図12-28 換気立坑における壁面観察

換気立坑(直径4.5 m)掘削時における壁面観察の様子です。

高レベル放射性廃棄物の地層処分の技術基盤を整備するため、岐阜県瑞浪市にある「瑞浪超深地層研究所」において花崗岩を対象とした深地層の科学的研究を進めて います。研究坑道の掘削は、2010年度末で主立坑481.3 m、換気立坑497.7 mまで到達しました(図12-26,図12-27,図12-28)。

・ 主立坑(2010年度 : 深度459.6 m〜481.3 mを掘削)掘削領域の透水性は低く、主立坑掘削時に顕著な湧水はなく、壁面が濡れる程度の割れ目が一部で確認された程度であり、掘削の進捗に伴う湧水量の増加はほとんど認められませんでした。

・ 換気立坑(2010年度 : 深度459.8 m〜497.7 mを掘削)換気立坑は、昨年度の掘削においては深度約421 m〜428 mと深度446 m〜453 mの区間を対象にプレグラウチング(坑道掘削に先立ち掘削範囲の周辺の割れ目にセメントミルクを注入する工法)により湧水を抑制しました。湧水抑制対策の要否については、探り削孔により判断しています。深度約400 m〜460 m付近は、2006年度に実施したパイロットボーリングの結果において比較的透水性の高い区間(10-7〜10-6 m/secオーダー)が認められたことから、2010年度の掘削範囲である深度459.8 m以深においても顕著な湧水が発生する可能性がありました。しかし、探り削孔の結果、深度459.8 m〜497.7 m区間で顕著な湧水はないと判断できたので、湧水抑制対策を講じることなく掘削を進めました。

研究坑道はボーリング調査などにより掘削範囲の地質や地下水状況を把握したうえで掘削しています。これまでの掘削では、ボーリング調査により大量湧水が発生する可能性が高いことが分かった範囲を対象に、プレグラウチングにより湧水を抑制しました(換気立坑側の深度200 m付近や400 m〜460 m付近、深度300 m研究アクセス坑道のうち坑道延長の半分程度など)。

湧水抑制の計画策定では、ボーリング調査からの情報をもとに、地下水浸透理論を用いて坑道周辺の透水性を低下させる割合やセメントの注入範囲を費用対効果も加味し、目標を定めています。この計画に基づき施工した結果、計画以上の湧水抑制効果を得ることができています。今後も必要に応じて湧水抑制を図り、安全を最優先させながら、更に地下深部へと坑道掘削を進めていくことを目指しています。


●参考文献
見掛信一郎, 山本勝, 池田幸喜, 瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削と施工対策技術の適用, 土木学会岩盤力学委員会, 第40回岩盤力学に関するシンポジウム講演集, 2011, p.191-196, in CD-ROM.


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