1-1 より高い安全性を実現するコンセプトを世界へ発信

−国際標準に向けたSFR安全設計クライテリアの構築−

図1-2 安全基準の階層における安全設計クライテリアの位置付け

図1-2 安全基準の階層における安全設計クライテリアの位置付け

基本的な安全原則を実現するためのシステムや機器類を、どのような考え方で設計すれば良いかを体系的に定めるものです。 SFRを始めとして、第四世代炉を対象とした国際標準の安全設計クライテリアはこれまでありませんでした。

 

図1-3 新しい安全設計クライテリアの具体化プロセス

図1-3 新しい安全設計クライテリアの具体化プロセス
(例:原子炉停止系)

第四世代炉としての高い安全目標を達成するため、SFRの技術的特徴や最新の研究開発成果、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、第四世代炉の安全設計クライテリアを構築しました。

第四世代原子力システム国際フォーラム(GIF)では、これまでシステムや機器・材料開発を中心に国際協力が進められてきましたが、今般、国際標準の「安全設計ク ライテリア(SDC)」整備に向けた協力が開始されました。

安全基準の階層におけるSDCの位置付けを示したのが図1-2です。上位の安全原則と規格・基準類の中間に位置し、「安全の基本概念を実現するためには、規格・基準に基づき製造されるシステムや機器類を、どのような考え方で設計すれば良いか」を体系的に定めるものです。ナトリウム冷却高速増殖炉(SFR)を始め、第四世代炉を対象とした国際標準のSDCはこれまでなく、今回このためのSDC案を初めて構築しました。

SDC構築のポイントは、第四世代炉としての高い安全性の反映、SFRの技術的特徴の反映、そして最新の研究開発成果と東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の教訓の反映の三つです。これらの関係とSDCの具体化プロセスを表したのが図1-3です。

第四世代炉の安全目標「炉心損傷の頻度が極めて低く、その程度も小さいこと」については、安全アプローチ「設計条件を超えた想定外の状態も考慮」に従って達成することが必要です。SFRの特徴は、炉心が壊れたときに反応度が上昇する場合があり得ること、非常時でも自然循環で全崩壊熱を除去可能なことですが、想定外の場合でも、炉心の反応度を抑えて再臨界を防止すれば、原子炉は自然に冷却されることになります。新技術となる自己作動型炉停止機構は原子炉内での試験に成功しており、SFRでの実用化が見込まれる状況です。

以上より、設計条件で原子炉停止系の確実な作動を要求する従来の要求に加えて、SFRに対する安全要求の考え方として、想定外の事故でも原子炉停止系が自動的に働くようにすることで、GIFの安全目標が達成されることになります。これをSDCとして具体化すれば、(1)設計条件を超えた場合でも炉心損傷を防止する手段を設けること、(2)自然の力で自動的に原子炉停止系が作動する仕組みを備えること、となります。原子炉停止系の他に、冷却系や格納系などに対しても同様のプロセスでSDCとして具体化しました。

今後はSDC案を、日本発の「より高い安全性を実現するコンセプト」として、GIFという国際協力の場において国際標準化を図ることになります。


●参考文献
Okano, Y. et al., Safety Principles and Safety Approaches for Next Generation Sodium-Cooled Fast Reactor, Proceedings of 2011 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP'11), Nice, France, 2011, paper 11037, p.719-727, in CD-ROM.


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