2-3 オーバーパックのデータベースを初公開

−設計・製作にかかわる情報、試験データを分かりやすく提供−

図2-7 データベースログイン後のメイン画面

図2-7 データベースログイン後のメイン画面

設計に必要な検討項目がフローで示されており、各項目をクリックすると関連する情報やデータベース画面が表示されます。主要なデータである腐食データと溶接検査に関する試験データはメニューバーより直接アクセスも可能となっています。
https://www.jaea.go.jp/04/tisou/toppage/top.html

 

 

図2-8 腐食データベースの画面の例

図2-8 腐食データベースの画面の例

地層処分環境で考慮すべき腐食現象が時系列で整理され、各腐食現象はボタンで表示されています。各ボタンをクリックすると、試験データが表形式で表示されます。

高レベル放射性廃棄物地層処分における人工バリアのひとつであるオーバーパックには、ガラス固化体中の短寿命の放射性核種の放射能が減衰するまでの期間(現在は1000年間と設定)、地下水とガラス固化体の接触を防止する閉じ込め機能が要求されています。このような長期にわたり閉じ込め機能が要求されている金属製の容器は地層処分以外では例がなく、特有の設計・製作技術開発や長期健全性評価手法の構築が求められます。これまで、オーバーパックの蓋と本体の溶接・検査技術開発や地下水に対する耐食性評価などの研究開発が進められ、個別の成果は、検討を実施した機関により報告書や論文の形で取りまとめられていました。これらは将来選定される実際の処分場の条件(地下水水質,荷重,温度など)に対応したオーバーパック設計やオーバーパックにかかわる安全規制に反映させる必要があります。しかし、報告書や論文の形態では必要な情報やデータにたどりつくまでに、文献の入手,文献内での検索など多くの手間や時間を要する場合があります。これらの成果が有効に活用されるためには、成果の内容,試験データなどの情報が効率良く抽出できるようなデータベースを構築する必要があると考えました。そこで、オーバーパックの溶接・検査に関する技術開発を行ってきた公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターの協力を得て、これまで検討されてきた溶接・検査技術,耐食性に関する試験データなどを取りまとめたデータベースの開発を行い、ホームページ上で公開しました。

本データベースは、メイン画面にオーバーパック設計における基本フローを表示しており、各項目のボタンをクリックすると検討事例や試験データなどが参照できる構成となっており(図2-7)、オーバーパックにかかわる様々な情報を表示・検索することが可能です。主要な試験データである腐食データ(図2-8)と溶接・検査にかかわる試験データはフローを経ずメニューバーよりアクセスすることも可能です。

本データベースはどなたでも利用可能です。今後は最新の研究成果や技術情報を取り込みながら、拡充・更新を図る予定です。


●参考文献
谷口直樹ほか, オーバーパックデータベースの作成, JAEA-Data/Code 2009-022, 2009, 56p.


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