公開日付: 2025年 12月 19日
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少数の学習画像で高精度に気泡を検出できる技術を開発

図1 重なった気泡の形状検出
(a) 撮影画像(重なりがない1つの気泡と重なった3つの気泡)、 (b)ルールベースの画像認識による検出結果(緑線)、 (c)本手法による検出結果(カラー表示)を示します。

図1 ロッドバンドル流路内の可視化結果(a)と気泡検出結果(b)
(b)内のカラー表示(色分けはランダム)は、検出した気泡を表します。
最新の深層学習技術である Shifted Window Transformer(Swin Transformer)を用いた気液二相流の気泡検出技術を開発しました。気泡形状の高精度な検出を実現したことで、気泡径や気泡分布、ボイド率などの原子力工学を含む熱流動分野で必要不可欠なデータをより詳細に取得することが可能になりました。
従来の気泡検出では、輝度差を利用したルールベースの画像処理が用いられてきましたが、気泡が変形したり重なり合ったりする場合に気泡形状の検出精度が低下するという課題がありました。
本研究では深層学習に基づく画像認識モデルである Swin Transformer を用いることにより、この課題を解決しました。学習には、数十枚程度の少ない数の画像データを使用しました。図1は、提案技術と従来のルールベース検出技術を比較したものです。本技術は図1(c)にあるように重なった気泡の形状を正確に検出でき、従来技術より優れた性能を示しました。さらに、3×3 ロッドバンドル流路に適用し、複雑な流路形状内の気泡検出に成功しました(図2)。
このように、本技術は、限られた学習データでも高い精度を維持し、複雑な流体構造や実験条件にも適応可能です。将来の熱流動研究やシミュレーションの検証において、信頼性の高い画像解析ツールとなることが期待されます。
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