公開日付: 2026年 2月 12日
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多地点で協調する遠隔VR可視化技術

図1 多拠点協調VR可視化システムの構成
灰色の線の左側がスーパーコンピュータ、右側に3人のユーザ(A、B、C)を示します。ユーザAがホストとして解析を主導し、ユーザB及びCがゲストとして参加している様子です。シミュレーションと同時に生成される粒子データがストレージに出力され、各ユーザの通信プログラムがそれぞれのユーザPCへ非同期に転送し、複数拠点で同一の可視化結果を共有します。ホストであるユーザAが示した解析情報は、可視化パラメータファイルとして展開され全ゲストへ同期されます。
原子力分野の大規模熱流動・流体シミュレーションでは、計算結果がペタバイト級に達し生データの転送や共有が困難です。従来の可視化手法では、計算格子全体をポリゴンに変換するため、可視化データ自体も巨大化し、遠隔地での対話的解析やVR(Virtual Reality)表示に必要な60 fps(frame per second)以上の高い描画速度が課題でした。
私たちは、粒子ベース可視化手法PBVR(Particle-Based Volume Rendering)により、計算結果を数十MB規模の粒子データに圧縮し、60 fps以上の対話的描画を可能とする可視化アプリケーションIS-PBVR(In-Situ PBVR)を開発してきました。
本研究ではこれを拡張し、複数拠点の研究者がVR空間で同一の三次元場を共有できる多拠点協調VR可視化システムを構築しました。VRゴーグル(Head Mounted Display, HMD)を用いて視点・色分け・注釈を自動同期でき、粒子データの逐次配信により通信遅延を抑えます。
本システムを用いることで、汚染物質拡散解析における発生源推定のような逆問題解析を、遠隔地の専門家が同じ状況を見ながら即時に議論・判断でき、意思決定の迅速化に貢献します。原子力機構のスパコンSGI8600上の熱流動解析に適用し、複数PC間でリアルタイム共有が可能であることを確認しました。
謝辞
本本研究は、JSPS科研費(JP20K11844)基盤研究(C)「大規模分散GPGPUシミュレーションの対話的In-Situ可視化」の助成を受けて行われました。
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