本成果で開発した転位と添加元素の量子計算の方法を示しています。(a)は金属材料が変形するときに転位線が移動する様子を示しています。
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線で示した転位線の位置まで結晶を切断し、断面を矢印の方向に一原子分ずらして貼り付けた構造になっています。この転位線が下へ移動することで原子面のずれが結晶内に広がっていきます。(b)は転位線と添加元素の計算を行うとき、まず
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で示される位置にある転位線の量子計算を行ってから添加元素を導入し、今度は
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で示される添加元素の周辺でだけ量子計算を行うことで計算する原子の数を削減する様子を示しています。〇は量子計算を行う原子,●は計算を行わない原子を示しています。(c)は計算の結果得られた、転位と水素原子が引き合う効果を示しています。両者が接近するほど引力効果が強くなることが分かりました。