(a)は結晶中のらせん転位を概念的に示したもので、
![](img/honbun/j2020_9-5-2.jpg)
で示した位置に転位線が存在します。鉄結晶において、低温では
![](img/honbun/j2020_9-5-3.jpg)
の方向に横に転位が進みますが、温度が高くなると縦の成分が加わり進行方向が
![](img/honbun/j2020_9-5-4.jpg)
のように変化します。結晶のすべり面は転位の移動面ですので、温度が上昇すると結晶のすべり面が変化することになります。(b)は転位位置の変化をシミュレーションしたものです。100 Kの場合、横にまっすぐ進んでいくのに対し、300 Kの場合、縦方向にも転位位置が進んでいき、実験で観察された現象を再現することが分かりました。