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図1 (a)すき間腐食断面模式図、(b)[Cu(EDTA)]2-構造式、(c)[Cu(EDTA)]2-によるすき間腐食発生抑制効果

すき間腐食潜伏期間及び進展期間において、ステンレス鋼から溶け出した金属イオンの加水分解によりH+が生じることですき間内部のpHが低下します。この際、電気的中性を保つためにすき間内部へ陰イオンの泳動が生じます。すき間腐食の抑制にはすき間外部に腐食抑制作用を有する陰イオンを添加することが有効であることが知られています*1, 2。陽イオンであるCu2+はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とキレート錯体を形成し、中性溶液中では陰イオンである[Cu(EDTA)]2-として存在します。[Cu(EDTA)]2-をNaCl溶液に加えた結果、SUS 316Lのすき間腐食発生が抑制されました。[Cu(EDTA)]2-は陰イオンであるためすき間内部へ泳動し、すき間内部の低pH環境においてCu2+と[H2(EDTA)]2-に分離し、すき間腐食を抑制します。

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