DNA損傷とは、DNAの部位の分子が電離、励起等を起こし、化学構造が変化したものである。放射線によるDNA損傷は、主に照射で生成する電子とその電子の作用で生成した反応性の高い分子によって生じる。クラスターDNA損傷はnm程度の狭い領域に複数個の損傷を同時に受けた空間的に密集したDNA損傷のことを指す。このような局所的に生じた複数の損傷はDNAの立体構造をゆがめてしまうため、修復が困難になることが予測でき、細胞死などの原因になっていると考えられている。クラスターDNA損傷は放射線の中でも局所的にエネルギーを付与する性質を持つ粒子線で最も頻繁に起こり、電子の作用で生じると考えられている。(4-12 粒子線で生じる電場のDNA損傷生成への効果を発見)
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