X線は試料中の電子雲と相互作用するため、各原子の散乱長は原子番号に比例して大きくなります。一方で、中性子は原子核と相互作用して散乱されるため、各原子の散乱長は同位体間でも異なります。そのためX線散乱では電子密度の高い部分の構造(内部コア)が観測されます。また、中性子散乱では水素と重水素の散乱長が異なるために、それぞれの散乱成分を区別することが可能です。本研究の場合、重水素化オクタンが用いられているために、TBPとオクタンによる散乱長密度に有意な差が生じています。そのため、TBP会合体の全体構造(プロトン密度の高い領域)が観察されている。(5-9 量子ビームで明らかにする錯体溶液の秩序構造)
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