マルテンサイト

常温ではフェライト相である炭素(C)を含む鉄鋼材料は、変態点以上(例えば、1000 ℃近傍)に加熱するとオーステナイト相になる。これを急速に冷却すると、Cの移動を伴わない変態(マルテンサイト変態)が起こり、過飽和なCを含んだ微細な針状結晶から成る組織となる。この組織をマルテンサイトと呼ぶ。マルテンサイト相を有するODS鋼は、相変態を利用して軟化(加工性を向上)させることが容易であり、製造性に優れる。また、微細な組織を有するため、検査性、耐照射性に優れる利点がある。(7-5 長寿命燃料被覆管の実用化を目指して)


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