トピックス
非GPS環境下におけるドローンの飛行性能評価法の開発
図1 非GPS環境下における水平方向への障害物回避の試験
図2 非GPS環境下における垂直方向への障害物回避の試験
図3 ドローンのユーザ・メーカとの意見交換の様子
ドローンはインフラやプラント点検の効率化、働き手不足の解決等のために注目され、更なる活躍の拡大が期待されています。また,その活躍の場にはトンネルやプラント建屋内等GPSが使えない環境も含まれます。しかし、実際にGPSが使えない場所でドローンを利用するには、GPSに関連する機能が制限される中でも十分にドローンが飛行できるか確認する必要があります。そこで、ドローン産業の促進を目的に、ドローンが一部機能に制限を受ける場所でどの程度飛行できるのか評価する方法を研究開発しています。
具体的には、GPSの信号を遮る壁や天井が障害物となる環境でドローンが障害物を避けながら、「安定して飛行できるか?」「スムーズに飛行できるか?」を評価するための試験フィールドと試験手順を開発しました(図1、図2)。また、これらは産業のための試験であることを考慮し、ドローンのメーカやユーザの方々との意見を取り入れながら(図3)、特殊な機材や専門の知識を必要とせず低コストで評価できるよう簡易な装置、単純な手順で評価方法を開発しました。このような評価方法の研究は、AI・ドローンなど高度化する技術を適切に利用するために重要な知識を提供し、働き手不足や国際競争力の低下などの問題を抱える今後の社会に貢献するものとなります。
謝辞
本成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業(JPNP17004)「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」において得られたものです。
著者(研究者)情報
著者(研究者)氏名 | 山田 大地 | |
福島廃炉安全工学研究所 廃炉環境国際共同研究センター 放射線デジタルグループ |
参考文献
公開日 2024年 11月 20日
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発(廃止措置に向けた研究開発)