2.3 一体型炉エンジニアリングシミュレータの開発
 


拡大図(136KB)

図2-6  「一体型炉」シミュレータの監視・操作用画面

原子炉全体を監視する画面で、原子炉内部の温度、冷却水、バルブ、ポンプの状態を図的に表示し、時間とともにそれらの推移を監視します。その他の炉プラントの系統、操作等は別の図で処理されます。


図2-7  一体型原子炉の起動・停止操作上の特徴

核加熱による昇温と昇圧を広範囲に使い、起動時間の短縮を図っています。図中に点線で示した運転方式がシミュレーションによって確認されました。



原子力船の研究開発用エンジニアリングシミュレータは、我が国最初の原子力船「むつ」用に開発され、実験航海の事前評価、運転制御特性の把握、運転員の訓練・ヒューマンマシン研究等に利用されました。その後、将来の原子力船の動力源として、軽量・コンパクトで受動的安全性の高い原子炉の設計開発が進められ、出力100 MWtの一体型炉の工学設計が完了しています。この船舶用一体型炉プラントの運転性能の確認や高度な自動制御系の開発のために一体型炉用シミュレータを開発しました。一体型炉では蒸気発生器および一次系をほぼ原子炉容器内に内装し、バルブ、ポンプの数をきわめて少なくしています。このためにシミュレータでは、新たに貫流型熱交換器、受動的安全系、水張り式格納容器等を模擬しました。図2-6は一体型炉シミュレータの監視・操作用画面を示しています。また、図2-7はシミュレータによって確立することのできた起動・停止運転方式を示しています。シミュレータによって得られた結果は受動的安全系実験装置、事故解析用コード等による結果と概ね一致することが確認されました。
このシミュレータは、将来の分散型小型炉プラントの利用範囲を広げるために、自動運転制御およびマンマシンインターフェイスの設計に役立てることが期待されています。



参考文献
高橋照雄 他,原子力船エンジニアリング・シミュレーションシステムの整備,一体型炉シミュレータの開発,JAERI-Tech 2000-039 (2000).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果 2001
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