3.2 110 GHz 高周波でプラズマ不安定性をノックアウト
 


図3-4  高周波がプラズマに入射される様子


図3-5  JT-60内部に設置した可動アンテナ


図3-6  プラズマ放電中の磁気的な乱れの変化

磁気プローブ等の測定器を使って検出した磁気的な乱れの発生場所に合わせて、電子サイクロトロン高周波のパワーを入射すると、その乱れの強さをノイズレベルまで減少させることができます。


100 GHz帯ジャイロトロン(大電流電磁波発信管)は、原研が世界に先駆けて、170 GHzで1 MWの発信に成功する等、その開発が大きく進展しています。ジャイロトロンが発する電磁波を、磁気的な乱れが発生しているプラズマ内部に局所的に入射させることによって、この磁気的な乱れを抑え安定性を回復できることを実証するのが本研究の目的です。JT-60では、可動アンテナを用いて高周波(110 GHz)を当該領域に精度良く入射できるシステム(図3-4, 図3-5)の開発を進めてきました。
図3-6に実験結果の一例を示します。この例は、JT-60のプラズマに、時間約7.5秒のタイミングで電子サイクロトロン高周波(EC)のパワー(1.6 MW)が入射されています。
時間が7.5秒以前には、磁気的な乱れがプラズマ内部に発生していることが磁気プローブで検出されています。電子サイクロトロン高周波の入射方向を調整してECパワーを注入すると集中的に流れるプラズマ電流によってプラズマ内部の磁気的な乱れが抑制され、時間8秒以後乱れの強さをノイズレベルまで減少させることができました(図3-6)。
JT-60で実証した、電子サイクロトロン高周波による磁気的な乱れの抑制法は、ITERにおいても適用できるものであり、今後、さらに研究を深めてまいります。



参考文献
Y.Ikeda et al., Initial Results of Electron Cyclotron Range of Frequency (ECRF) Operation and Experiments in JT-60U, Fusion Eng. Des., 53, 351(2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果 2001
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