3.3 閉じ込めが良い理由、重イオンビーム計測でわかった!
 


図3-7  高閉じ込め・Hモードの特長

Hモードでは、プラズマの表面近くに輸送障壁が形成され、これが断熱層となって、プラズマの圧力(温度と密度の積)が増加することにより、閉じ込め性能が向上します。


図3-8  JFT-2Mにおける重イオンビーム計測(左)およびプラズマの電位と径方向の電場(右)

プラズマ表面近くの大きな電場勾配により、Hモードの輸送障壁が形成されることを解明しました。



高閉じ込め・Hモードでは、プラズマ表面近くの内側に熱と粒子の輸送を抑える障壁が形成され、これが一種の断熱層となってプラズマの圧力が全体的に増加する(図3-7)ことにより、閉じ込め性能が向上します。
Hモードの物理(「なぜ輸送障壁ができるか」)を実験的に解明するため、JFT-2M(高性能トカマク試験装置)では、核融合科学研究所との協力研究により重イオンビームプローブ装置を導入して詳細な研究を展開しています。図3-8(左)のように重イオン(タリウムイオン)のビームをプラズマ内側から表面へと掃引することにより得られたプラズマ電位の空間分布と径方向の電場を図3-8(右)に示します。Hモードでは、プラズマ表面の近傍(2 cm以内)で、径方向の電場(Er)が0から-30 kV/mと急峻な変化をしていることが特徴です。今回の重イオンビームを使った計測によってプラズマの電位変化がマイクロ秒のオーダーで発生していること、およびHモードプラズマでは表面近くにできる電場の勾配により熱・粒子の輸送を抑える障壁が形成されることを初めて実験的に明らかにすることができました。原研のJFT-2MやJT-60(大型トカマク試験装置)は、Hモードの研究で多くの成果を上げ、世界をリードしています。



参考文献
Y. Miura et al., Relations among Potential Change, Fluctuation Change and Transport Barrier in the JFT-2M Tokamak, Nucl. Fusion., 41(8), 973(2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果 2001
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