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| 核融合炉の燃料をプラズマに注入する方法の一つに、水素の氷を高速で入射する方式があります。原研では、これまで、空気銃と同じ原理を用いて、200気圧の水素ガスで水素の氷を発射させ、秒速2,300 mを達成しました。しかし、空気銃方式では、連続発射ができません。これを克服するために、遠心力を用いた加速方式が世界で開発されてきました。原研では、ドイツのマックスプランク・プラズマ物理研究所の協力を得て、遠心力方式の開発を行ってきました。 原理図を図3-10に示します。重水素ガスを12 Kの温度まで冷やして棒状の氷を作り、それを所定の長さに切って、高速で回転しているローターの中心に落とします。落下した氷は、ローターに切られた溝にそって加速され、ローターの端部から発射されて、輸送管を通ってプラズマに入射されます。 開発に当って直面した課題は、氷の蒸発ガスによる悪影響でありました。氷表面の蒸発により発生した水素ガスが、製氷部の温度を上昇させ、また後発の氷の軌道を乱します。氷がプラズマまで届かなかったり、2個の氷が重なって同時に入射された場合がありました。 これを解決するために、製氷部と加速部を真空遮断して、製氷部の温度上昇を防ぐとともに、各所にガス抜きの格子状窓を設けました。さらに、輸送管の接続部に傾斜を設け、また回転ローターの溝に屋根を設けるなどの考案を行い、氷の動きを安定させました。 その結果、2 mmの立方体の大きさをもつ重水素の氷を、秒速700 mで、1秒間に5発の割合でJT-60のプラズマに入射することに成功しました。入射時間は最大10秒です。その一例を図3-11に示します。プラズマの密度が、氷の入射に同期して階段状に上昇していることがわかります。 実際の核融合炉に用いるためには、氷の大きさや入射周期の安定化など、さらなる性能向上が必要ですが、技術的に十分な見通しを立てることができました。 |
| ●参考文献
平塚一 他,JT-60Uにおける遠心加速方式ペレット入射装置の開発,プラズマ・核融合学会誌,76(11),1189 (2000). |
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