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| 原子核の大きさは10-12 cmオーダーで、原子の約1万分の1の大きさですから、原子核の形状は電子顕微鏡などを使っても見ることはできません。よって、これまでは原子核の励起状態の構造から、核模型に基づいて、原子核が丸いとか、変形しているとかを(図6-5)類推してきました。しかしながら、原子核を十分よく記述できる核模型はまだ無く、いくつかの核模型によって、その内部構造や形の解釈が異なっていました。 最近私たちは、クーロン励起を用いた完全核分光実験において、核模型によらずに、核変形を精度よく決定する手法を開発することに成功しました。これは、調べたい原子核をビームにして鉛ターゲットに当てると(図6-6)、原子核がクーロン力で励起されますが、その励起過程を調べることにより、全ての低励起状態間のガンマ線転移の強さ(電磁気的転移行列要素)を決定でき、これから変形を表す物理量が直接得られることに基づきます。事実私たちは、東海研タンデム加速器において多重ガンマ線検出装置“GEMINI”を用いて、ゲルマニウム(Ge)アイソトープに対する完全核分光実験を行い、2 MeVまでの全ての励起状態の変形度を求めることができました。 この解析から、図6-7のようにこれらの原子核には、球形とラグビーボール型という異なった形を持つ状態が共存していること、また各アイソトープの準位構造の変化は2つの変形状態の異なる振る舞いに起因することを見い出しました。 |
| ●参考文献
Y. Toh※ et al., Coulomb Excitation of 74Ge beam, Eur. Phys. J. A9, 353 (2000). ※博士研究員 |
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