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SPring-8では、非常に広いエネルギー範囲のX線を偏向電磁石部から取り出すことができます。しかし、偏向電磁石ビームラインでは、発光点から離れるにつれビームが広がって強度が弱くなってしまいます。そこで、広がった光をベンダーにより再び集めて実験に使います。取り出したX線は、ちょうど虫眼鏡で太陽光を集めるのと同じように集光させられます。この虫眼鏡にあたる放射光X線の集光装置を、サジタルフォーカスベンダー(以下ベンダー)と呼びます。 SPring-8の標準偏向電磁石ビームラインでもベンダーを使った集光を行う必要が生じました。しかし、既存のベンダーでは、SPring-8の広いエネルギー領域のX線に対応させることができず、SPring-8独自のベンダーを新たに開発することにしました(図8-15、8-16)。そして対応エネルギー範囲8〜150 keVのベンダーを製作し、調整を行ってきました。 試験結果は極めて良好で、エネルギー分解能を損なうことなく、全てのエネルギー領域で1桁以上の単位面積当たりの強度増大を実現することができました(図8-17)。現在では、共用ビームラインや台湾ビームラインにも設置されています。特に原研ビームラインでは、ランダム系物質の高エネルギーX線回折実験に威力を発揮しています。 |
●参考文献
Y. Yoneda et al., Fixed-Height Exit Bender of Synchrotron X-Rays Above 40 keV, J. Synchrotron Rad., 8, 18 (2001). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果 2001 Copyright(c) 日本原子力研究所 |