10.3  世界は一つ、ネットワークで巨大並列計算に成功
 

・大気拡散シミュレーション 5台の並列計算機510プロセッサを使用(T3E 4台、VPP300 1台)
・実時間可視化 SX-4 6プロセッサを使用

拡大図(120KB)

図10-7  米英独日の5研究機関の並列計算機をネットワーク上で結合した並列計算機


図10-8  ネットワークコンピューティング実演実験での出力の様子



情報技術の進展によって世界中に散在する無数のコンピュータを結合し、一つの高性能計算機を構成して巨大な計算を実行する(ネットワークコンピューティング)ことも可能になってきました。もっとも、実用性のある大規模計算を行うには技術的問題以外にも幾多の問題を解決しなければならないので今までは小規模な実験的研究しか行われませんでした。私たちは米国ダラスで開催されたスーパーコンピュータ国際会議(SC2000)の機会をとらえ、世界各国の代表的研究機関と共同でこのような仮想計算機を構成し、大規模計算を実行することに成功しました。
私たちの実験では、米英独日の5研究機関の並列計算機を結合して合計510のCPUからなる仮想計算機を構成し(図10-7)、1998年5月にスペインのアルヘシラスで起きたセシウム137汚染事故についての放出源推定計算をしました。この実験は単に大規模ネットワークコンピューティングに成功したというだけでなく、私たちの開発した放射能放出源推定プログラム、異機種間並列化ライブラリ、実時間可視化システム等がネットワークコンピューティングにおいても有効なことを証明した点でも有意義でした。特に、この放出源推定プログラムはアルゴリズムが並列計算に適していて、容易にこのようなネットワークコンピューティングに適用できるので、十分に性能が発揮され、実用性が確認できました(図10-8)。



参考文献
今村俊幸 他,ワールドワイドメタコンピューティングの試みについて,情報処理学会研究報告2001-ARC-142,49 (2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果 2001
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