12.1  耐放射線性小型モータの開発
―原子炉内に多様な照射環境実現―
 


図12-1  小型モータ組み込みキャプセルの例

核融合炉のパルス運転モードを模擬するために、円筒状の窓付中性子吸収体を回転させ、炉心からの中性子を試料にパルス的に照射します。


図12-2  小型サーボモータ照射試験キャプセル

小型サーボモータ(直径25 mm、長さ36 mm)をキャプセルに組み込みJMTRで照射健全性を確認しました。リミットスイッチは回転数を計るのに使用します。

表12-1  小型サーボモータ主要項目比較



国際熱核融合実験炉(ITER)に取り付けられるブランケットテストモジュールは中性子やγ線にさらされます。またITERはパルスモード運転が行われます。
ブランケットテストモジュールの開発の一環として、一部を模擬した照射試験が材料試験炉(JMTR)で計画されており、キャプセルの開発が現在進められています(図12-1)。ITERのパルスモード運転を模擬するため、キャプセルには窓付きの中性子吸収体を回転させたり、任意の位置で停止させたりできる小型サーボモータが必要となります(図12-1)。モータは炉心の上端から1メートルほど上にあるキャプセルの上部に取り付けられますが、中性子やγ線にさらされるため耐放射線性を有することが必要であり、かつ小型にするためモータ巻線は細径でなければなりません。
既存の小型サーボモータとして、巻き線にポリエステル銅線を使用したものがありますが、耐放射線性の点で今回の照射試験には使用できません。そこでモータ巻き線にポリイミド銅線を使うなど、全体で44種類のモータ構成部品の内21種類の部品(表12-1) に耐放射線性の優れた材料を使うなどの改善を施したモータを試作しました。
試作したモータをキャプセルに組み込み(図12-2)、JMTRで照射試験を行い、耐放射線性などを調べました。その結果、本モータはγ線でも既存品の30倍程の照射量に耐え、JMTRでの照射試験に十分使用可能なことが確認されました。
なお、本モータは、照射試料の回転や縦方向移動など多様な照射試験を可能にします。



参考文献
E. Ishitsuka et al., In-situ Characterization of Small Sized Motor under Neutron Irradiation, Fusion Eng. Des., 58-59, 517 (2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果 2001
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