公開日付: 2026年5月20日
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鉱物に蓄積された放射線量から堆積物の年代を求める
-光ルミネッセンス法を用いた海成段丘の編年-

図1 試料採取露頭の柱状図とOSL年代
日本の海岸沿いに広く分布する海成段丘は地盤が隆起した証であり、その形成史の把握は地層処分の検討に必要な隆起速度の推定に役立ちます。形成史の理解には、段丘の段数・高度・構造などに基づき形成の順序関係を推定する層序学的手法が用いられます。しかし、この手法単独で形成年代を得るものではないため、順序関係に時間軸を与えるための年代測定法の整備が課題となっています。
近年、この課題解決に貢献できる手法として、鉱物に蓄積された放射線量から年代を求める光ルミネッセンス(OSL)法が着目されています。OSL年代は太陽光によって初期化する性質があるため、鉱物が堆積場所へ運ばれる過程で露光されると仮定することで、堆積物の形成年代の推定に利用できます。現状、形成年代を直接測定できる手法は他になく、海成段丘の編年に有効と考えられています。
その有効性を示すべく、層序学的手法から約12万年前の間氷期に形成されたと暫定推定されている紀伊半島の海成段丘で調査を行いました。OSL年代測定の結果はこの段丘が約12万年の間氷期に形成されたことを示し、紀伊半島の海成段丘の形成史をより確かなものとすることができました。
今後も、日本各地の海成段丘に対しOSL法を適用し、その形成史を明らかにしていく予定です。
謝辞
本研究は、経済産業省資源エネルギー庁委託事業「平成30年度~令和4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(地質環境長期安定性評価技術高度化開発)」(JPJ007597)及び「令和5年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(地質環境長期安定性総合評価技術開発)」(JPJ007597)の成果の一部です。
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