公開日付: 2026年4月8日
アクセスカウント:0
ポータブル蛍光エックス線分析装置による津波堆積物の簡易判別手法

図1 ポータブルXRF 装置により測定した静岡平野大谷低地のボーリングコア試料中の化学成分(ストロンチウム/チタン比)の鉛直分布
図中の黄色部分は約3500年前の津波堆積物層を示します。
津波による被害を軽減するため、今後発生する可能性のある地震や津波の規模などを推定し、防災・減災計画の検討に繋げていくことが重要です。津波の規模を推定する際に、各地域に残る歴史記録に加えて、地質学や地球化学などの手法を活用し科学的な知見に基づき過去の浸水域を復元することが求められています。津波堆積物の簡易的な判別手法を検討するため、ポータブル蛍光エックス線分析装置(ポータブルXRF装置)を用いて静岡平野の堆積物試料中の主成分及び微量成分の定量分析を新たに実施しました。
本研究では、静岡平野で採取された6本のボーリングコア試料(各試料長さ約8 m)及び同地域の砂浜表層試料の定量分析を行いました。得られたデータから約3500年前の津波堆積物の地球化学的な特徴について検討しました(図1)。静岡平野の約3500 年前の津波堆積物層では化学的な指標(ストロンチウムなど)の顕著な増加が見られました。したがって、ポータブルXRF装置により静岡平野の津波堆積物の検出が可能であることが示されました。津波堆積物の化学的な特徴は地域ごとに異なり、また同一地域においても時代により差があることから、各地域において地球化学的なデータを継続して蓄積することが重要です。
今後は本手法を幅広く展開し、津波堆積物の簡易的かつ迅速な化学的特徴の把握や地球化学的判別へ貢献していくことが期待されます。
謝辞
本研究はJSPS科研費、挑戦的研究(萌芽)(JP22K18874)「重鉱物の微小領域化学分析による津波堆積物と台風・高潮堆積物との判別手法の開発」の助成を受けて実施しました。
著者情報
参考文献
このページへのご意見やご感想などありましたらボタンをクリックしてご意見ご感想をお寄せ下さい。
