JAEA R&D Navigator
トップページ >  バックエンド対策 >  ウラン取扱施設の廃止に向けて

公開日付: 2026年3月16日

アクセスカウント:0

categ11

ウラン取扱施設の廃止に向けて
-汚染の無いことの証明-

図1 NRに対する念のための放射線測定評価の一例

図1 NRに対する念のための放射線測定評価の一例

(a)念のための放射線測定評価を行う対象は放射線レベルがきわめて低いため、自然放射線であるバックグラウンド(BG)放射線の変動の影響を強く受けます。そのため放射線測定器ごとにBG変動を考慮した理論上の検出限界を算出する必要があります。BG変動を考慮した理論検出限界は、BG変動を考慮していない理論検出限界から離れはじめ、一定値に近づくような傾向を示し、測定時間の延長は効果的な検出限界の向上に繋がりません。そのため作業効率化の観点から、測定時間は理論検出限界の乖離が始まる以降の合理的な時間を設ける必要があります。本作業では600秒と決定、その際の検出限界を検出下限値としています。(b)長時間定点測定を行う必要のあるNRに対する念のための放射線測定においては、天井等高所の測定を行う際に延長棒を使用し、放射線測定器の検出部を棒先に固定して作業を行うことで、作業者の負担を軽減し、安全かつ効率よく放射線測定を進めました。


放射線被ばくから身を守るために立ち入りが制限された区域である放射線管理区域が設定されたウラン取扱施設建家の設定解除を行う際は、建家に対して放射線測定を行い、核燃料物質による汚染の無いことを証明する必要があります。また、放射性廃棄物の低減を目的として、核燃料物質の使用履歴、設置状況や汚染履歴の調査等を行い、汚染の無いことを証明する又は汚染箇所を分離除去することで建家のコンクリート等を放射性廃棄物でない廃棄物(NR)とすることができますが、NRとしたことの信頼性を高める観点から、念のための放射線測定評価を行い、NRに理論上汚染がないことを証明する必要があります。

今回は、内装設備の撤去が完了した施設に対して管理区域全体の放射線測定を行い、何れも放射線測定器の検出下限値未満であることを確認しました。また、床、壁及び天井を3 m×3 mに区画し、その中心にて放射線量を時間あたりで積算する機能を持つ放射線測定器を用いて600秒間測定し、BG放射線の影響を考慮した理論検出限界曲線の検出下限値未満であることを確認しました(図1)。これにより、建家の管理区域を解除するとともに建家のコンクリート等をNRとして処分できる見通しを得ました。

本作業で得られた知見及びデータをもとに、引き続き確実な廃止措置を進めて参ります。

👇関連記事を詳細欄に掲載👇

クリックして詳細をチェック

ウラン取扱施設の廃止に向けてー安全確保と汚染拡大防止-

図2 内装設備解体撤去作業前後 (一例)

図2 内装設備解体撤去作業前後 (一例)

核燃料物質使用施設の廃止に向けた作業では、汚染状況に合わせた内装設備の解体撤去を行います。今回の内装設備の解体撤去作業では、実際に核燃料物質を取り扱っていた設備については、図2のように汚染拡大防止のため設備を簡易ハウス等で囲いその中で解体から廃棄物容器への収納までの作業を行いました。

その他の管理区域内で使用された物品や建家本体については、過去の使用履歴、設置状況等の記録を調査し、汚染部分を分離除去するとともに、汚染の可能性が否定できない壁、床等のはつりを行いました。

今回の内装設備の解体撤去作業の対象施設は、小規模な施設に複数の設備が設置されていたため作業性が悪いうえに作業に伴い発生した廃棄物の置き場を確保することが困難でした。そのため作業順序、方法等を状況に応じて検討、改善を行いながら作業を進めました。また、管理区域内に設置された資材の中で、過去の履歴等の調査により汚染の恐れがないと判断された給気ダクトや電線については、放射性廃棄物でない廃棄物として処理を行いました。

これらの解体撤去作業の終了により管理区域解除に必要となる放射線測定等の廃止措置作業の最終段階に移行しました。

本作業で得られた知見及びデータをもとに、引き続き確実な廃止措置を進めて参ります。

著者情報

著者情報
参考文献
山本啓介ほか, 廃水処理室の廃止措置実施報告書(その2); 放射線測定編, JAEA-Technology 2024-019, 2025, 211p.

このページへのご意見やご感想などありましたらボタンをクリックしてご意見ご感想をお寄せ下さい。

トップへ戻る