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公開日付: 2026年3月13日

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低圧損クロマトグラフィ担体の大量製造法の開発
-抽出クロマトグラフィ法によるマイナーアクチノイド分離回収システムの安全性向上を目指して-

図1 造粒工程と細孔形成工程による吸着材担体製造の概要図

図1 造粒工程と細孔形成工程による吸着材担体製造の概要図

図2 抽出クロマトグラフィの概要図(左)とラボスケールでの充填層の圧力損失(右)

図2 抽出クロマトグラフィの概要図(左)とラボスケールでの充填層の圧力損失(右)


使用済核燃料におけるマイナーアクチノイド(MA)の分離回収は、高レベル放射性廃棄物の潜在的有害度を大幅に低減することで、高レベル放射性廃棄物の長期リスクの低減、処分場規模の削減等に寄与することが期待されており、実用化に向けた開発が進められています。分離回収方法のひとつとして、抽出剤を固定した多孔質シリカ粒子(吸着材)による固相(充填層)での吸着と溶離によりMAとそれ以外の核種の分離を行う抽出クロマトグラフィ法の研究開発を進めていますが、本技術の実用化に際しては、様々な安全性の確保、とりわけ充填層へ送液を行う送液ポンプの異常停止時の放射性核種の充填層からの排出及び充填層の緊急冷却を速やかに行うことが課題と考えられています。

そこで、吸着材の担体となる多孔質シリカ粒子について、粒子径と細孔径の増大により充填層の圧力損失の低減を目指して改良に取り組みました。圧力損失が低いことは、充填層内で発生する放射線分解ガスの排出や充填層への冷却水の通液において有利と考えられます。

多孔質シリカ粒子の調製は、シリカ粒子の造粒工程と細孔形成工程から成り、今回、図1に示したように二つの工程を組み合わせることで、粒子径及び細孔径を増大させた圧力損失の低い多孔質シリカ粒子を大量に製造することを可能としました。具体的な作業としては、造粒工程では噴霧した原料液を乾燥塔内で乾燥し乾燥粒子を得て、細孔形成工程ではこの乾燥粒子を焼成・洗浄することで相分離構造から複塩等を除去し細孔を形成します。図2に示すように、今回改良した吸着材を充填した充填層(抽出クロマトグラフィの分離塔を模擬したラボスケール)の圧力損失は、従来の研究で使用されてきた吸着材に比べ、1/3程度に低下することが確認されています。

このことは、抽出クロマトグラフィ法において、送液ポンプの異常停止時に充填層への緊急的な通水を行うことを従来よりも容易とすることから、抽出クロマトグラフィ法を用いたMA分離回収の安全性向上に貢献し、実用化に寄与していくと考えます。

著者情報
参考文献
Hasegawa, K. et al., Optimization in Granulation Conditions for Adsorbent of Extraction Chromatography, Mechanical Engineering Journal, vol.11, issue 2, 2024, 23-00407, 8p.
外部論文: https://doi.org/10.1299/mej.23-00407

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