公開日付: 2026年3月31日
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層状マンガン酸化物のナノシート化により高密度蓄熱を実現
-未利用低温廃熱の回収によりカーボンニュートラル実現貢献へ-

図1 微細化によるインターカレーションと表面吸着による二つの蓄熱メカニズムの顕在化
工業廃熱の3分の2は200 ℃以下の低温廃熱であり、こうした未利用熱を有効活用することでカーボンニュートラル社会実現への貢献が期待されています。層状マンガン酸化物は、約130 ℃で層間の水分子が脱離することで蓄熱状態となり、室温で大気中の水分を吸収すると発熱することが分かっています。そのため、層状マンガン酸化物は、低温廃熱を貯蔵し再利用するための蓄放熱可能な材料として注目されてきました。
本研究では、蓄熱性能の向上のためマンガン酸化物を厚さ数nmのシート状に微細化することで表面積を大幅に増大させました。これにより、マンガン酸化物表面に吸着した水分子が粒子間の細孔に閉じ込められることが新たに分かりました(図1)。そして、こうした細孔中の表面吸着水分子は、層間への吸着とは異なり60 ℃以下において蓄熱動作することも分かりました。その結果、吸着可能な水分子量は従来に比べて約1.5倍、蓄熱エネルギー密度は約1.3倍に向上しました。加えて、100 ℃以下という低温域での蓄熱動作が可能になりました。
本成果により、これまでよりもさらに低温域での蓄熱が可能であることが示されました。こうした層状マンガン酸化物の優れた蓄熱性能は、昼間の太陽熱を利用した夜間暖房や、機械暖気、オフライン廃熱輸送など、多様な省エネルギー技術への応用が期待されます。
本成果は、2025年6月3日付でCommunications Chemistry誌にオンラインで公開されました。
本研究は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業先端的カーボンニュートラル技術開発(ALCA-Next)(JPMJAN23A3)「環境水分を利用する高サイクル高エネルギー密度酸化物蓄熱材料」の支援を受けたものです。
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