公開日付: 2026年 2月25日
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マイナーアクチノイドを含む超ウラン核種の核データ検証に資するデータベースの整備
表1 超ウラン(TRU)核種の積分実験データベース


図1 マイナーアクチノイドを含む超ウラン核種の核データ検証に資するデータベースの整備

図2 マイナーアクチノイドを含む超ウラン核種の核データ検証に資するデータベースの整備
237Npのサンプル反応度価値および核分裂率比に対する JENDL-5の予測精度が良好であることを示しています。
超ウラン(TRU)核種に係る核データの積分検証は、革新的原子炉の開発や放射性廃棄物減容化など、原子力分野の重要課題の解決に向けた基盤的技術の1つです。しかしながら、TRU 核種の積分検証に不可欠な炉物理実験データは、世界的にも著しく不足しております。本研究では、高速炉臨界実験装置(FCA)で過去に得られたTRU核種の炉物理実験データ*1を最新の知見に基づいて再評価し、多面的な核データ評価を可能にする積分実験データベース(表1)として整備しました。本データベースでは、実験の不確かさが炉物理実験分野における国際標準と同等レベルで詳細に評価されており、積分検証に資する高い信頼性が確保されています。また、以下の2つの特徴があります。
(1)単一の積分実験データでは一般的に中性子エネルギーの詳細な情報が失われてしまいますが、中速から高速までの複数の中性子エネルギースペクトル(図1)に対応した実験データを系統的に整備したことで、中性子エネルギー依存性に着目した積分検証が可能となっています。
(2)本データベースには、炉物理実験の基本特性である臨界性に加えて、核分裂率比およびサンプル反応度価値が含まれており、TRU 核種の核分裂断面積のみならず捕獲断面積の積分評価(図2)にも対応しています。
広範な中性子スペクトルと多様な核特性(臨界性*2、核分裂率比*3、サンプル反応度価値*4)が完備された本データベースは、TRU 核種の核データの信頼向上に貢献することが期待されます。
*1 Mukaiyama, T. et al., Rad. Eff. 93 (1–4), 147 (1986).
*2 Fukushima, M. et al., J. Nucl. Sci. Technol. 53 (3), 406 (2016).
*3 Fukushima, M. et al., J. Nucl. Sci. Technol. 54 (7), 795 (2017).
*4 Fukushima, M. et al., J. Nucl. Sci. Technol. 61 (4), 478 (2024).
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