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公開日付: 2026年 2月 17日

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ウランを用いる蓄電池の開発
-劣化ウランの資源化で再生可能エネルギーとの相乗効果を最大限発揮-

図1 本研究のウラン鉄蓄電池の概念図

図1 本研究のウラン鉄蓄電池の概念図

充電するとき正極では、鉄イオンの酸化数が2価から3価に変化し電子が放出されます。この電子は回路を経由して負極へたどり着き、ウランイオンの酸化数を4価から3価に変化させます。このように、正極から負極へ電子の流れ(電流)が発生することで、ウランイオンと鉄イオンの化学状態は変化し、電気を蓄えることができます。

原子力発電用の燃料の製造時、副産物として「劣化ウラン」が発生します。劣化ウランは現在の原子炉(軽水炉)では燃料として利用できないため、日本国内では約16,000トンを貯蔵しているという状況です。これを資源としての活用するために、ウランを用いる蓄電池の概念が2000年代初頭に提唱されました。しかし、実際に蓄電池を組み上げ、その性能を報告した例はありませんでした。

そこで本研究では、ウラン鉄蓄電池(ウラン蓄電池)を開発し、世界で初めてその充電と放電の性能を確認することに成功しました。ウラン蓄電池は、負極にウラン溶液、正極に鉄溶液を用いて組み上げました。試作したウラン蓄電池の電圧は1.3ボルトで、一般的なアルカリ乾電池(1.5ボルト)と近い値でした。今回充電と放電を10回繰り返しましたが、蓄電池の性能はほとんど変化せず、比較的安定した性能が確認できました。

ウラン蓄電池を大容量化して実用化すれば、日本国内に保管されている大量の劣化ウランに新たな資源価値が生まれます。そして、風力や太陽光などの再生可能エネルギー由来の電力供給網の調整機能として応えることで、脱炭素社会の実現に貢献することが可能となります。

著者情報
参考文献
Ouchi, K et al., The Rechargeable Battery Using Uranium as an Active Material, Scientific Reports, vol.15, 2024, 18515, 7p.
外部論文: https://www.nature.com/articles/s41598-025-01384-6

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