公開日付: 2026年3月31日
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アルミ酸化物を用いた不揮発メモリの局所構造
-メモリ機能を示すアルミ酸化物での乱れの役割に放射光で迫る-

図1 アルミ酸化物不揮発メモリのイメージ図
現在、世界で広く使用されているコンピュータの主記憶メモリは、電力消費が大きく、AIやビックデータなどを活用した社会を実現する上で省エネ問題が課題となっています。この問題を克服できる次世代不揮発メモリ(電源が切れても記憶したデータを保持し続けられるメモリ)として、遷移金属を用いた「ReRAM(抵抗変化型不揮発メモリ)」の研究が着目されています。しかし、メモリ性能の不十分さに加えて有害・希少原料使用といった課題があります。
不揮発メモリの電気特性は、電子状態で変わります。また、その電子状態は材料の原子レベルの構造で変わります。本研究では、遷移金属を含まないアルミ酸化物不揮発メモリの微視的構造を解明するために放射光X線実験を行いました(図1)。原子の乱れた分布に由来する数多くの酸素空孔の存在やアルミニウム元素同士の距離が短いことが、不揮発メモリ機能の発現にとって重要であることを明らかにしました。低消費電力社会・脱炭素社会の実現に向けて、安定的に調達可能な原料を活用するアルミ酸化物不揮発メモリの開発は、今後の社会を担う新たな電子デバイス材料として期待されます。
本研究は、物質・材料研究機構との共同研究「アルミナにおける構造とメモリ性能の相関の研究」の成果の一部です。
本研究成果は、掲載誌Journal of Applied Physicsにおいて「Editor's Pick」として選出されました。
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