公開日付: 2026年3月31日
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CTBT沖縄観測所で検知されたセシウム137と黄砂との関係を考察

図1 黄土平原(中国)からセシウム137が一様に放出されたと仮定した場合の大気拡散シミュレーションの結果
私たちのチームは、核実験を監視するため、包括的核実験禁止条約準備機関(CTBTO)と協力して放射性核種の観測やデータ解析を実施しています。
日本には放射性核種監視観測所が沖縄と高崎の2ヶ所あります。このうち、沖縄県恩納村にある沖縄観測所では、周辺に原子力施設が存在しないのに時折セシウム137が検知されます。このような不定期の検出事象の発生源を解明することは、核実験を確実に検知するために重要です。沖縄でセシウム137が検知される季節は春が多いこと、先行研究で黄砂がセシウム137を運搬する事実が確認されていることから、本研究では沖縄で検出されたセシウム137が黄砂と関連していると仮定を立て、放射性核種データ解析及び大気拡散シミュレーションの両面から仮説を検証しました。
2020年~2023年の春季における沖縄観測所でのセシウム137の検出は、中国の北京、蘭州、モンゴルのウランバートルでの検出と高い相関を示しました。また、日本国内における黄砂の観測と、高崎、北京、蘭州、ウランバートルにおけるセシウム137の検出との間にも高い相関が確認されました。さらに、大気拡散シミュレーションを用いて、黄砂の発生源である中国内陸の砂漠からCTBTOの観測所へのセシウム137の到達を再現しました(図1)。
これらの結果により、東アジアの観測所で検知されたセシウム137は黄砂を介して伝搬するグローバルフォールアウト由来であるという仮説を定性的に検証しました。今後、更なる事例解析を通じ、過去に核実験が実施されたサハラ砂漠等の周辺に位置する観測所のバックグラウンド把握にも役立てていくことが目標です。
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