公開日付: 2026年3月4日
アクセスカウント:0
異なるアルファ核種を現場で識別する新技術
-サバンナリバー国立研究所(SRNL)で高性能アルファイメージング検出器の実証試験に成功-

図1 高性能アルファイメージング検出器の概要
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業では、アルファ核種を含む微粒子(以下、アルファダスト)が吸入時の内部被ばくに大きく影響します。アルファ核種はその種類により被ばくへの寄与が異なるため、現場で効率的に核種を識別し、放射能量や粒子サイズなど被ばく評価に必要な情報を取得する技術が求められています。従来から現場で汎用的に利用されているZnS(Ag)シンチレータを用いたサーベイメータは、測定範囲に分布する全アルファダストの総放射能しか測定できません。そのため、核種の同定や粒子サイズの情報を得るためには、現場での試料採取、実験室での複雑な前処理作業が必要となり、評価結果を導くまでに時間がかかるという課題がありました。
私たちが今回開発したYAPシンチレータを用いた検出器とモンテカルロシミュレーションに基づく粒子サイズ推定手法を組み合わせることにより、現場で迅速に粒子ごとのアルファ核種の同定、放射能量及び粒子サイズの定量化が可能になりました(図1)。
アメリカのサバンナリバー国立研究所(SRNL)の協力のもと、現地にてアルファ線のエネルギーが異なる2種類のアルファ核種、238Pu(エネルギー5.50 MeV)及び237Np(4.79 MeV)を含む酸化物粒子のサンプルを用いた試験を実施しました。その結果、238Pu及び237Npを現場でリアルタイムに識別測定できることを実証しました。これにより、廃炉作業時のアルファダストによる吸入時の作業者の迅速かつ精度良い内部被ばく線量の管理が可能になるため、廃炉作業の加速化に貢献することが期待できます。
このページへのご意見やご感想などありましたらボタンをクリックしてご意見ご感想をお寄せ下さい。
