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公開日付: 2026年3月24日

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燃料デブリが臨界になる条件をどのように実験で模擬すべきでしょうか?
-定常臨界実験装置“STACY”を用いた臨界実験-

図1 定常臨界実験装置STACYの外観と燃料デブリの不均一性を模擬した炉心構成

図1 定常臨界実験装置STACYの外観と燃料デブリの不均一性を模擬した炉心構成


東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業における燃料デブリの取扱いに際しては、リスク低減の観点から燃料デブリの臨界特性を評価することが必要です。燃料デブリはその生成過程などにより多岐にわたる組成・性状を有していると推定され、計算解析により網羅的に臨界になる条件(組成、体積や水分の割合)を調べてデータベース化しています。一方で、構造材料や水を不均一に含んでいる燃料デブリの組成を対象とした計算解析は、これまでに実験結果を用いた妥当性検証がなされておらず、臨界実験を実施して評価することが求められています。

そのため定常臨界実験装置STACYを軽水減速非均質体系に更新改造した上でコンクリートや鉄の構造材模擬体を整備し、燃料デブリを模擬した臨界実験を行うことにより、計算解析の妥当性確認を行いました(図1)。一連の臨界実験においては、実験の不確かさを考慮した上でコンクリートや鉄の総量や配置が臨界特性に与える影響を評価したほか、不均一な組成変化によってどのくらい臨界となる条件に影響を与えるのかについて実験的に確かめ、これらの実験が計算解析で良く再現できることを確認しました。

STACYの臨界実験で妥当性を示した計算解析によって、万一臨界事象が生じた際の被ばく評価など、燃料デブリの取扱い時に必要なリスク評価を行うための研究を進めていく予定です。

謝辞
本研究は、原子力規制庁からの受託事業「令和6年度原子力施設等防災対策等委託費(東京電力福島第一原子力発電所燃料デブリの臨界評価手法の整備)事業」の成果の一部です。
著者情報
参考文献
Gunji, S. et al., Study on the Specifications of the Basic Core Configurations of the Modified Stacy, Annals of Nuclear Energy, vol.209, 2024, 110783, 7p.
外部論文: https://doi.org/10.1016/j.anucene.2024.110783

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