公開日付: 2026年 2月 13日
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統合型放射線イメージングシステムを用いた放射能汚染可視化の実証
-福島第一原子力発電所の3号機起動用変圧器周辺における実証例-

図1 1F3号機起動用変圧器周辺における高濃度放射能汚染箇所と線量率を可視化した3次元モデル
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故から 14 年と半年の歳月が経過しましたが、1F サイト内には作業者の立入りや長時間作業が困難な高線量率エリアが残されています。この作業現場において放射能汚染や線量率の分布を把握することは、作業者の被ばく低減や作業計画の立案を進める上で極めて重要です。
そこで原子力機構では、作業環境の放射能汚染分布を3次元的に可視化する統合型放射線イメージングシステム[iRIS(アイリス):integrated Radiation Imaging System]を考案しました*。これは、γ線イメージャを用いて多視点から取得した放射能汚染のイメージデータを、環境認識デバイスで取得した作業環境の3次元構造物データに投影することにより、ホットスポットを含む放射能汚染分布を可視化した3次元マップを描画するものです。
図1は、東京電力HDと共同で実施した1F3号機起動用変圧器周辺における実証試験の結果です。コンプトンカメラ、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping、自己位置推定と環境地図作成の同時実行)機器及びサーベイメータから構成されるiRISを用いて放射能汚染の分布調査を行いました。その結果、放射能汚染は主として土やコンクリートの地面に沈着していることを確認できました。同時に、高濃度に放射能汚染が沈着している領域では、周囲の線量率も上昇していることを確認できました。加えて、再構成した放射能汚染のイメージ強度と表面線量率について、相関関係に関する議論も継続しています。
iRISについては、ロボットと組み合わせることにより、作業者の立入りが困難な1F建屋内の高線量率エリアの調査も継続しており、1Fサイト内の建屋内外について引き続き環境改善に貢献していきます。
*原子力機構, 廃炉現場の汚染分布を3次元マップで“見える化” ―見えない汚染を仮想空間で把握し、作業員の被ばくを低減―, 令和3年5月14日プレス発表
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