公開日付: 2026年3月6日
アクセスカウント:0
土壌中の放射性セシウムを「塩」×「真空」でスピード除去
-真空が促す新しい除染メカニズム-

図1 (a)真空・大気中における除染率の比較と(b)真空加熱によるNa+
↔ Cs+
イオン交換の模式図
先端基礎研究センターの下山巖研究主幹らは、塩化ナトリウム(NaCl)を用いた真空条件での熱処理によって、1000~1300 ℃の温度領域で実施していた従来の熱処理より低温で効率的な放射性セシウム除去が可能であることを明らかにしました。汚染土壌に対し重量比1/1でNaClを添加し、真空中で800 ℃、2時間加熱した場合、同条件の大気中処理に比べて約6倍効率的にセシウムが除去され、除染率は90 %を超えました(図1(a、b))。
真空環境では、NaClの昇華が促進されることによって粘土鉱物層間へナトリウムイオンが取り込まれ、粘土鉱物の層間距離が拡張してセシウムイオンを急速に置換する「高速イオン交換」が進行します。従来の水溶液法では長時間を要するイオン交換を、加熱開始からわずか1時間で達成できました。
この成果は、熱除染の低温化と省エネルギー化を実現し、放射能汚染土壌の効率的な減容・再資源化への道を拓きます。研究成果はJournal of Environmental Management誌(2025年6月19日オンライン版)に掲載されました。
謝辞
本研究は、JSPS科研費(JP16H02437)の助成を受けたものです。
著者情報
参考文献
このページへのご意見やご感想などありましたらボタンをクリックしてご意見ご感想をお寄せ下さい。
