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公開日付: 2026年9月8日

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地下深部で水素とギ酸を作る新種の微生物を発見
-北海道幌延の地下350 mで生まれるバイオメタンの仕組みに迫る-

図1 2種の微生物によるメタン生成の仕組み(共培養実験に基づく推定)

図1 2種の微生物によるメタン生成の仕組み(共培養実験に基づく推定)

Z1-71T株はブドウ糖を分解して水素とギ酸(低分子量の有機物)を生成します。メタン菌T10T株は、水素と二酸化炭素、またはギ酸を利用してメタンを生成します。共培養実験では、2種を一緒に培養した場合のみメタン生成が確認され、幌延の地下でも同様の水素・ギ酸の受け渡しが起きている可能性があります。

地下深部には未知の多様な微生物が存在しています。酸素がほとんどない地下深部では、試料の採取や培養が難しく、微生物がどのように生き、物質を作り出しているのかは十分に分かっていません。

幌延深地層研究センターでは、地下施設を活用して深部地下水を採取できる利点を生かし、幌延地圏環境研究所、広島大学と共同で微生物を調べました。培養試験に加え、微生物の識別に必要な遺伝子と全遺伝情報(ゲノム)を調べた結果、水素とギ酸を作る新種の微生物Gaoshiqia hydrogeniformans Z1-71T株を発見しました。

この微生物はブドウ糖を分解して水素とギ酸を作ります。同じ地層から見つかったメタン菌T10T株と一緒に培養すると、Z1-71T株が作った水素とギ酸をT10T株が利用し、バイオメタン(微生物の働きによって生成されるメタン)を作りました。今回の培養条件では、2種を別々に培養した場合にはメタンは確認されず、Z1-71T株からT10T株への水素・ギ酸の受け渡しがメタン生成につながることが分かりました(図1)。

この成果は、水素・ギ酸・メタンの生成・消費を担う微生物の働きを理解するものであり、地層処分における地下施設閉鎖後の還元環境の回復挙動の評価などへの活用が期待されます。また、地下研究施設を未知の微生物資源の探索に活用し、微生物の働きによってエネルギー資源を効率良く作る技術への展開も期待されます。

謝辞
本研究は、ノーステック財団・幌延地圏環境研究所及び広島大学と共同で実施されました。
著者情報
参考文献
Ueno, A., Miyakawa, K. et al., Gaoshiqia Hydrogeniformans SP. Nov., a Novel Hydrogen-Producing Bacterium Isolated From a Deep Diatomaceous Shale Formation, International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology, vol.75, issue 6, 006802, 11p.
外部論文: https://doi.org/10.1099/ijsem.0.006802
プレスリリース: 北海道・道北の陸域深部地下環境から水素を発生する新種の微生物を発見(Gaoshiqia hydrogeniformans Z1-71T株の発見)

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