公開日付: 2026年9月14日
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ALPS処理水放出後のヒラメ体内のトリチウム量を推定する

図1 モデルの検証結果(a)とモデルにより推定された内部被ばく線量(b)
東京電力福島第一原子力発電所(1F)の事故により1Fの敷地内に存在する放射性物質を含んだ汚染水は、多核種除去設備(ALPS)などを用いて、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすレベルまで取り除く浄化処理が行われます。このALPS処理水は、2023年8月から海洋放出が開始されました。
ALPS処理水が海産物に及ぼす影響を把握するため、継続的なモニタリングが実施されています。モニタリングによって得られるデータは信頼性が高い一方、取得可能なデータ数に限りがあるため、時間的・空間的(以下、時空間的)に連続した影響を評価することが困難という課題があります。これに対し、シミュレーションモデルは時空間的に連続したデータの作成が可能であることから、このようなモニタリングの課題を補う有効な手段となります。
本研究では、海水中のトリチウムの動きを計算する「海洋拡散モデル」と海水から生態系へのトリチウムの移行を計算する「生態系移行モデル」を組み合わせて、ヒラメに含まれるトリチウム量を推定しました。モデルの妥当性を検証した結果、海水温の推定値と観測値がよく一致しており、トリチウムの動きに影響する海況を適切に再現できていることが確認されました。
1Fから約5~60 kmの海域を対象としたシミュレーションを行った結果、ALPS処理水の影響下にあるヒラメを継続的に摂取した場合でも、トリチウムによる人体への影響は極めて少ないことが示されました。
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本研究は、公益財団法人環境科学技術研究所と共同で実施されたものです。
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