公開日付: 2026年9月7日
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花粉センサーによる海塩粒子のリアルタイムモニタリング
-沿岸インフラの腐食評価を支えるために飛来海塩量を高い時間分解能で測る-

図1 花粉センサーを用いた飛来海塩粒子のリアルタイム計測の概要
中段右端のグラフ(3)は、花粉センサー法(2)及びドライガーゼ法(1)による1年間の同時観測結果を比較したものです。花粉センサー法で測定した球形粒子数(1週間当たりのカウント数(10³ counts・(7d)⁻¹))とドライガーゼ法で測定した飛来海塩量(mg NaCl・m⁻²・d⁻¹)の間には強い相関が見られました。
沿岸部のインフラ構造物は、海から飛来する塩分(飛来海塩粒子)の影響で大気中の腐食(大気腐食)が進みます。その予測には飛来海塩量の把握が重要ですが、従来法のドライガーゼ法は、ガーゼの設置・回収と捕集塩の化学分析に人手を要し、また、日本産業規格(JIS)Z 2382では1か月ごとの捕集が標準とされるなど、データを得る間隔の長さが課題でした。
そこで本研究では、飛来海塩量のリアルタイム計測を目指し、市販の花粉センサーに着目しました。このセンサーは、大気中の粒子に偏光レーザーを照射し、粒径に対応する散乱光強度と球形度に対応する偏光度を測定します。海塩粒子はほぼ球形のため散乱光の偏光が保たれ、角張った鉱物粒子(塵埃)や、粒径の大きな花粉と区別することができます。
沿岸域の試験地点で1年間、両手法による同時観測を行いました。ドライガーゼ法は、センサーとの比較のためJIS法より短い1週間ごとに回収・分析しました。花粉センサーによる球形粒子のカウント数は従来法の測定結果と強く相関し(図1(3))、センサーの計測データが飛来海塩粒子の空間濃度を示す指標となり得ることが分かりました。
本手法で可能となった飛来海塩量のリアルタイムモニタリングは、大気腐食予測やインフラの腐食リスク評価の高度化に貢献することが期待されます。
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