公開日付: 2026年10月9日
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加速器駆動システム用パイロットプラント(パイロットADS)の概念設計
-マイナーアクチノイド(MA)核変換に特化した安全な原子力システムを目指して-

図1 パイロットADS及び商用ADSの未臨界炉心
高レベル放射性廃棄物を減容化し有害度を低減するには、廃棄物に含まれるマイナーアクチノイド(MA)を核変換し、長期の発熱や放射能を低減することが有効です。日本原子力研究開発機構では、MAを年間約250 kg核変換できる熱出力800 MWの商用加速器駆動システム(ADS)*1を設計してきました。商用ADSの実現には、燃料、加速器、ビーム窓材料などの技術を段階的に実証する必要があります。
そこで本研究では、商用ADSの4分の1規模となる熱出力200 MWの「パイロットADS」を提案し、これらの技術課題の実証に向けて炉心・加速器・鉛ビスマスターゲット・原子炉機器の概念設計を行いました。燃料は、まずは実績のあるMOX*2 燃料(MA非含有)を用い、炉心の出力密度を段階的に上げ基本性能等を確認した後(フェーズ1→2)、MA含有窒化物燃料へと移行します(フェーズ2→3) (図1)。また、商用ADSにはない安全棒を備えることで、安全余裕の大きい未臨界状態での運転を可能とします。加速器には商用ADSより小型・低出力の超伝導リニアック(陽子エネルギー1.0 GeV、電流10 mA)を採用する設計としました。この加速器の実現には、大電流化や故障時にも運転を継続する技術などの開発が必要であり、低エネルギー部から段階的に実証する計画です。鉛冷却高速炉向けの国際的な安全設計基準の大部分を本概念設計に適用し、炉心・加速器・ターゲット・原子炉容器等の設計仕様を具体的に示しました。
本成果は、フェーズ1~3を通じた段階的な技術実証による商用ADS実現への道筋を明らかにするものであり、分離変換技術の実用化による持続可能な社会の実現に貢献します。
*1 ADS:加速器で発生させた陽子ビームをターゲットと呼ばれる物質に当てて大量の中性子を発生させ、その中性子で未臨界炉心を運転するシステム。
*2 MOX:ウランとプルトニウムの混合酸化物(軽水炉等で使用実績のある燃料形態)。
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