図10-1 硝酸塩分解試験状況
図10-2 技術協力
図10-3 溶融ガラスの流化状況
核燃料サイクルの確立を目指して、軽水炉使用済燃料の再処理、放射性廃棄物処理などに係る技術開発に取り組んでいます。また、日本原燃株式会社(JNFL)が青森県六ヶ所村において進めている核燃料サイクル事業に対する技術協力に取り組んでいます。
民間事業者による軽水炉使用済燃料の再処理及びプルトニウム利用を推進するため、民間事業者のニーズを踏まえつつ、「ふげん」MOX使用済燃料の再処理試験や高レベル放射性廃液のガラス固化技術開発などの研究開発を実施しました。
ガラス固化技術開発については、ガラス溶融炉内の点検作業を通じて、炉内堆積物の除去や炉内形状計測に係るデータを取得しました。また、長寿命ガラス溶融炉の実現に向け、溶融炉材料の耐久性に係る試験や白金族対策としての炉底構造の検討などを実施しました。
低レベル廃棄物の減容・安定化技術開発については、リン酸廃液やスラリー廃液の固化条件に係るデータを取得し、セメント固化設備設置に係る設計に反映しました。また、硝酸塩を含む低レベル放射性廃液の硝酸塩分解技術開発を継続して実施し、工学試験に向けたデータを取得しました(図10-1)。
JNFLが進めている核燃料サイクル事業に対し、ウラン濃縮事業については新素材胴遠心機(新型機)のカスケード試験、再処理事業については六ヶ所再処理工場(RRP)のアクティブ試験、MOX燃料加工事業についてはMOX燃料加工工場の建設・運転に向けての技術協力を継続して実施しました(図10-2)。
特に、RRPアクティブ試験の最終段階においてJNFLが直面している高レベル廃液ガラス固化施設の課題解決に対し、ガラス固化技術や遠隔操作技術等に精通した技術者を追加派遣するとともに、模擬試験協力や各種受託試験,共同研究などによる支援強化を実施しました(図10-3)。
このほか、財団法人核物質管理センターへの技術者の派遣を行い、六ヶ所地区での核物質管理に関する技術協力を継続して実施しました。また、RRPで分析業務を請け負っている原子燃料分析有限責任事業組合技術者の受入研修を実施しました。